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未練とか未来とか

今日は本当は全く別のことを書こうとしていて、実際に書いた。でも公開する前に「やっぱこれじゃないや」って気になって、下書きにおくって、この形になった。

完全で完璧な偶然。言葉としては矛盾してるかも。今日の夜に「昔好きだった人に会う」話を連続で2回聞いた。全く違う人から、昼と夕方に一回ずつ。星の巡りとかで、今日はそういう日なのだろうか。

夕方の電話は学生時代の親友のギャルからで(意外な組み合わせでしょう)、電話越しにもテンションが上がっているのがよくわかったし、急遽美容院にもいってきたそうで可愛い。

「ねぇこれイケる(付き合える)?」とギャルに訊かれたので、女子の会話は共感を求めるという基礎ルールを無視して「多分無理」と答えた。その後なんとなく元気がなくなってしまって申し訳ないことをしたと思い、「いや普通に辞めといた方がいいと思う」と付け足したのだが嘘はついていない。

過去に好きだった人のパワーは絶大だし、彼女が期待する気持ちもよくわかるのだけど「過去」はおおむね過去補正がかかっているものだし(今会える程度に大人になっても関係が良好なら尚更)、彼女だって色々と時の流れで変化があって「当時の貴女であって貴女でない」わけだから、とざっくり彼女には伝えたのだが、本音を違うところに見出して自己嫌悪した。

私の知らないところで私の知らない過去があって、その当然の事実に自分が嫉妬したんだと思った。というか、過去に「今」の人間が当然に入れない事実を、彼女を通して再認識したのだった。

自分はあまり、というか過去の自分が嫌いすぎてなんなら一回死んだものだと思っているし、「過去からの持ち物」が多分人に比べて圧倒的に少ない。思い出も人間関係も服も容姿も、特段人間関係においては大人になってからが最高だと思っていて、今をいかに維持、そして発展させるかということに日々精一杯すぎるほどに熱を割いている。巣篭もりの日々なりに少しずつでも前に進みたい。

【練るから未練、来るから未来】と勝手に思っているけれど、どんなに喚いたってそれぞれが練りに練っている過去のイメージの中に自分はいなくて、そのことが悔しい。え〜、だって私と一緒にいるときのその子が1番可愛いと思うし、今の、この今日ですら明日には古くなって、どんどん変わっていくのが人じゃないですか。過去の登場人物は過去の中でよろしくやってくれ。今回の件に限らずだけど、そうやって大人になっていろんなものを吸収して変化した先で私と出会った「その人の像」が好きなのに。【結局過去最強説】について洗濯物を干しながら考えていた。

その閉じたひとときに何があったのか私にはわからないし、きっと私の周りも私に何があったのかはわからないけど「その人が積んできた全部をひっくるめた今」を肯定したいと思える人としか関係値を積みたいと思えない傲慢さは、平和で尊重できる真っ当な人間関係と私以外の他者へのほんの少しの嫉妬心を、あたたかい箱庭の中で順調に日々育んでいる。シンプルに「イケる?」の3文字にここまで感じたことを本人に言おうとは思わないけど。(笑)

「“今”が過去に塗り替えられる瞬間」はいつも嫌だなと思う。少年ジャンプで正義のヒーローが負けて迎える最終回みたい。いつだって今が勝ってほしいし、そうあるべきだと思う。私は今の自分を大切にしてくれる人が死ぬほど大事、いつもながらに重い。過去は甘美だけど、私と生きる今も楽しいじゃん。でもギャルの友人にはデート楽しんでほしいのも本当ですし……その逡巡も恥ずかしいので本人には絶対見せないけど。努力未来 a beautiful star、って米津も歌ってるよ。





2022.11.26
すなくじら

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