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北野白梅町にて|日記|2022/3/17

三月十七日(木) 曇り時々晴れ

京都にて北野白梅町周辺を旅する。

午前七時起床。質の良い睡眠に気持ちの良い目覚め。楽しみな一日の始まりには髪をきっちりとキメる。下準備として温水で髪全体を濡らし、ドライヤーで八割ほど乾かす。指で軽く束をとり、ヘアアイロンでうねらせていく。全体に満遍なくアイロンをかけ終えたら、ワックスを馴染ませパーマ風に仕上げる。ただ髪質がチリチリなので、どうしても輪郭がぼやけてしまうのが悲しいところ。

午前十時半、祇園四条駅に到着。京阪三条駅付近のバス乗り場まで鴨川に沿って散歩する。今日はやたらと風が強い。こういった日に髪型を乱されることに煩わされないのがデコ出しスタイルの利点。

三条大橋西詰にある河津桜が満開だった。通り過ぎる人は皆スマホやカメラを向けていた。桜の枝ではメジロが俊敏なフットワークを披露していた。

そうこうしているうちに北野白梅町行きのバスを目の前で逃す。次のバスの到着まで二十分。小腹が空いたのでセブンイレブンでじゃがりこを買い、ボリボリと貪り食った。じゃがりこのサラダ味って何がサラダ味なんだろうと思う。

京都市バスの運賃は大人一律230円。京都府民でありながら、改めてバスの凄さを思い知った。上手く活用すれば京都での行動範囲をもっと広げられそうだ。

バスに揺られ京都の街を横断。北野天満宮前で降車する。院試の際、僕の代わりに両親が合格祈願しに行ってくれたので、お礼参りを兼ねて参拝する。二礼二拍手一礼のところを二礼二拍手二拍手一礼にしてしまう。間違いはしたが、思いは届いたはずだ。境内では梅が所々咲いていた。最近になってようやく梅と桃と桜の見分け方がわかるようになった。梅は花びらが丸い。桃はとんがっている。桜は割れている。

昼食は「食堂とカフェ Pinnata」で揚げ若鶏のおろしポン酢セットを頼む。若鶏の旨味をさっぱりとしたポン酢が何度も引き立ててくれて美味しかった。一緒に10種類ほどの野菜が入ったサラダとご飯、お味噌汁もついてきた。これで750円は安い。

昼食後は「町家古本はんのき」を訪れる。土間に畳の部屋があるような古民家に本棚がびっしりと配置されており、和室ならではの静かで落ち着いた空間はじっくりと本探しするのに打ってつけ。新潮文庫のトルストイ「戦争と平和」全四巻を400円で見つけたが、買ってもしばらくは読みそうにないので我慢した。代わりに岡真史「ぼくは12歳」と俵万智「短歌をよむ」を購入した。かなり好きな本屋だったので絶対にまた行きたい。今度は何時間も入り浸りたい。

それから歩いて北上。30分ほどかけて金閣寺に到着。聖地巡礼。三島由紀夫「金閣寺」の主人公・溝口と違って、実物の金閣寺に思った以上の迫力を感じた。そしてちゃっかりとマイ金閣寺を持参。修学旅行生でいっぱいの中、これを鞄から取り出して写真を撮るのはちょっと恥ずかしかった。それから金閣寺の近くまで行き、細部を目に焼き付ける。これで次読むときに頭の中で金閣寺の鮮明な情景がありありと映し出せると思う。歩きながら溝口がここで〇〇したのかななど考えるのも楽しかった。

今日の旅の締めは「六曜社」。パウンドケーキとブレンドコーヒーを頼む。オレンジピールの苦味がコーヒーと合って美味しかった。iphoneのヘルスケアアプリを見ると今日一万八千歩歩いていた。

北野白梅町に向かうということしかあらかじめ決めていなかったけれど、案外良い旅になった。自分の性格上、無計画な旅ばかりしてしまうので、今度は綿密に計画を立てた旅もしてみたいなと思う。

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