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2022年の情報発信

私、須永祐慈が、NPOストップいじめ!ナビや問題校則のプロジェクト、いじめや不登校経験発信などを通じて受けた、主にメディアの取材についてまとめました。
2021年のテーマは、<いじめに関すること><こども庁に関する施策><問題校則について><そのほか>です。
テーマ別にしつつ、掲載された記事についてちょこっと解説も加えました。



<いじめに関すること>

東京新聞神奈川県版
逗子市の小学校で2020年にいじめ重大事態 市は基本方針を策定していなかった「怠慢と言われても仕方ない」 22.8.8

神奈川県逗子市の市立小学校で2020年、児童がいじめられて転校を余儀なくされ、市教育委員会がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定していたことが分かったのですが、その逗子市は「いじめ防止基本方針」を策定しておらず、保護者からも批判の声が上がった、とのニュースでコメントしました。

 NPO法人「ストップいじめ!ナビ」の須永祐慈副代表は、いじめの重大事態は各地で起きているとして「自治体として地域の実情に合わせた細やかな基本方針を定める意義は大きい」と指摘する。ただ、策定されても担当者しか知らず、実際の対応に生かされないケースもあるとして「いじめで苦しむ子どもや保護者に寄り添った対応ができるよう、方針を作って終わりではなく、周知し浸透させる必要がある」と話す。

東京新聞 https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/education/58629/

富山テレビ
いじめ認知件数全国2位の少なさ…富山県のいじめ対策の課題 専門家「“教育県目線”が要因の可能性」 12.2

毎回、このニュースを知るたびに、悲しさややるせなさ、そして自分の活動全てが問い直されるような気持ちになるのですが、11月下旬、富山県で中学3年生の女子生徒が自殺されたことを受けて、富山テレビが連日、力を入れた報道がなされ、そのうちの1回について、私もリモートでインタビューを受けました。

夕方のローカルニュースなので、少しコメントが乗るぐらいかと思っていたのですが、結構な枠で話を放送してくださったようです。自死が起きたばかりだったので、その後の学校や教育委員会の動きがどうなるのかにかなり注目が集まっていたタイミングだったからと思いました。


北海道放送 今日ドキッ!(18時台) 22.4.15

旭川の女子中学生が亡くなった事件について、第三者委員会の設置のあり方などで議論が行なっていることに関係して、いじめの認定があった内容についてや今後の動きのポイントなどについてインタビューを受け、「ニュース特集」で放送されたようです。(北海道民でない私は、拝見できませんでしたが…)


NHK福岡放送 ザ・ライフ 22.3.18

「いじめを見たり聞いたりしたとき、とめられなくても、できること」ということで取材。できることについての情報を紹介しました(モニター表示)



<校則に関すること>

gazette des femmes (カナダのフランス語メディア)
Au Japon, elles dénoncent le règlement strict des écoles 22.2.11

日本の校則問題に関してここ数年の動きがあることについてのレポート。日本の校則の歴史的な観点から取材を試みていて、興味深いところがあります。(以下、須永コメントに関する部分。ざぜか尾崎豊とか出てきて少しびっくり(自分が少し触れたからなんですが、苦笑))

Éveiller les consciences
Du chemin a pourtant été fait depuis les années 70. Les règles étaient alors d’une rigueur insoutenable. « Les garçons devaient se raser la tête, explique Yûji Sunaga. Le matin, le professeur attendait les enfants avec un bâton en bambou. » Bien qu’interdites par la loi, les corrections et punitions corporelles pleuvaient. Dans les années 80, les enfants abandonnent l’école à cause du kôsoku, les professeurs eux-mêmes le critiquent. Le jeune Yutaka Ozaki devient une star dans l’archipel grâce à une chanson dans laquelle il le dénonce.
À l’été 1990, les consciences s’éveillent lorsqu’un drame se produit à Kobe. Une adolescente de 15 ans décède après s’être retrouvée coincée dans le portail d’entrée du collège. Le professeur avait actionné la fermeture sans s’apercevoir que la jeune fille avait couru pour essayer d’entrer, désespérée de ne pas être à l’heure pour passer son examen. « Les retards n’étaient tolérés sous aucun prétexte, regrette Yûji Sunaga. Cette enfant a eu si peur d’être punie qu’elle en est morte. Ce n’est pas supportable. »
Yûji Sunaga pense qu’aujourd’hui d’autres pratiques sont passées sous silence : « Il n’y a pas de loi pour protéger les enfants du kôsoku. » Mais il garde espoir. Depuis plusieurs années, il remarque que des voix s’élèvent, à l’instar d’Hatsune et de ses amies. « Il est vraiment temps que cela s’arrête, ce ne sont que des enfants… »

https://gazettedesfemmes.ca/21867/au-japon-elles-denoncent-le-reglement-strict-des-ecoles/
 gazette des femmes

TBS NEWS23 事例提供 22.3.13

都立学校で2022年度からブラック校則廃止のニュースに関連して、どんな問題の校則があるかについて事例提供。(パネル表示) 


宮城テレビ放送 記者取材 22.4.22

宮城テレビ放送の報道記者より、校則問題をニュースで取り上げるとのことで、取材を受けました。主に、そもそも校則の歴史、現場の校則の問題はどこにあるのか、具体的な校則事例からみる問題と学校の対応などについて、解説しました。
夕方のニュースで紹介されました。(見られず)


TBSテレビ THE TIME 事例提供 22.12.1

「行き過ぎた校則」について、報道。事例や最近の傾向などについて解説しました。(チラッと見た記憶があるけど、記録残しておらず…)


産経新聞 コメント掲載 22.12.21

高校の男女交際禁止に関する裁判の判決がでて、下記のようなコメントを出しました。

NPO法人「ストップいじめ!ナビ」の副代表で、教育関係者らが立ち上げた「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」の発起人の一人である須永祐慈氏は「誰かを好きになる心はコントロールできない。男女交際禁止の校則は、基本的人権に抵触する可能性がある」と指摘する。
「私学独自の教育理念を否定するつもりはない」とした上で、男女交際禁止を違法とは認定しなかった東京地裁の司法判断について「不合理な校則を見直す動きが広がる中、やや遅れているのではないか」と疑問を呈した。

産経新聞 2022.12.21

時事通信社 校則の連載執筆(全12回)「問題校則最前線」
22.10~12(掲載は少し後)

「問題校則 最前線」と題して依頼を受けて、2022年の10月下旬辺りから週に1回連載記事を書いてきました。
新聞の連載は過去に何回かありますが、いつものようになかなか難儀したところです。でも、さまざまなテーマを取り上げることはできたかなと思っているので、その分想いを込められたかなとは思います。
実際に掲載された新聞は、全国の地方紙の判断なので、今書いている時点ではまだわからないのですが、執筆からはやや遅れて掲載されるとのことでした。

以下、通信社の編集や相談で掲載されたタイトル一覧
<テーマ>
(実際の誌面ではさらに変更されている可能性があります)
・1回「増加傾向の校則や指導 髪の長さ、下着の色ー不合理な内容
・2回「明確な根拠ないルール 強制され生徒の不満うっせき」
・3回「ツーブロック、なぜだめ? 時代変わっても規則は墨守」
・4回「高い位置のポニーテールはだめ 明文化されていない細則」
・5回「掛け合わせがより問題に 不合理校則×理不尽指導」
・6回「人前で叱責 人権侵害の恐れ」
・7回「校則がいじめの原因に? 度重なるストレスが引き金」
・8回「不登校の要因にも 体調不良になった事例」
・9回 「文科省の『校則見直し』の姿勢」
・10回「進む民間による校則改革」
・11回「校則改善のための5つのアイディア」



<その他のテーマ>

【若者の自殺問題】
Radio Dialogue
ゲスト:須永祐慈さん「若者の自殺問題―その課題は」3.23

安田菜津紀さん、佐藤慧さんがパーソナリティを務める「ラジオダイヤローグ」という番組に「若者の自殺問題」をテーマに出演しました。
約1時間、リモートでしたが、子どもの自殺の現場から課題、具体案、コーピング、私自身の体験などを交えたたっぷりと話をしました。


【不登校】
NHK Eテレ 「おとなりさんはなやんでる」
「不登校 親はどうする?」 22.5.7放送 ほか

Eテレで新たにパイロット番組の初回として、不登校についてのテーマ回に出演しました。
私は、過去に不登校経験をした人へのインタビュアーとして、4人の若者の話に耳を傾ける役。
初回の番組でもあり、スタッフ側も模索しながら取材されていたので、実は私も結構体験をお話ししましたが、その部分は放送せずまた次の機会に。番組を作るための構成としては役に立ったかも、といった感じです。
経験者の話がとても中身の濃いものになったので、そちらがメインです。
この番組、2022年は再放送が何回も放送されています。


【こども家庭庁】
毎日新聞
こども家庭庁設置法きょう成立 財源論議、先送り 参院選控え、滑り込み 22.6.15

子ども家庭庁設置法成立に関連して、コメントしました。

NPO法人「ストップいじめ?ナビ」(東京都)の須永祐慈副代表は「首相が将来的に目指す、こども関係予算の『倍増』が実現できなければ、いじめ対策の強化は絵に描いた餅になる。忙しい教員に任せては解決しないので、予算増額の水準が成否を分けるのではないか」と指摘している。

毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20220615/ddm/003/010/096000c

子ども家庭庁がかなり注目された中での発足。
妊娠期から18歳成人になるまでの全ての年代における子どもの「課題」を、一元的に担う部署として、文字通り「鳴り物入り」で議論が始まったように見えますが、法案が具体化されるにつれ、既存の省庁のしがらみや予算問題、業界団体との関係等、色々と雲行きも危うくなってきた気配も感じますが、それでもなお、できることは多い部分もあると捉えています。
今後、特に2023年の発足以後、どうなるのか注目したいところです。

また特に、いじめや不登校に関する施策は主に文部科学省管轄なので、あまり子ども家庭庁が主導とまではいかない気配が強いのですが、それでも、できることは実は色々あるのではないかとも思うので、その辺り、私もロビイングなどで政策提言やプッシュしていければと言う思いです。
(実は黒子で、2022年はかなり関連して動いていました。提言書作成や調査修正・報告書の作成などなどなど・・・。)


【教員の労働問題】
教育新聞
「保護者も社会も教員の労働実態を知って」 NPO代表ら訴え 22.11.1

リサーチ(調査)のお手伝いもしました。
いじめに取り組むNPOの方が、子どものいじめ被害について、本人や保護者からの視点だけでなく、学校環境の課題を改善する必要があると、こども本人への調査、教育委員会への調査、そして教員への調査を実施。

私はそのうち「教員調査」に関して、「スーパーバイザー」(直接の関与・参加ではなく、アドバイスや専門的知識の提供など)として関わり、設問設計に関するアドバイスや、アンケート実施後、集計されたデータに関して、分析作業を行い、報告書の作成などをお手伝いしました。
そして、下記のように記者会見にも出席し、コメントしました。(以下、記事から)

教員の長時間労働が深刻な課題となる中、いじめ問題に取り組むNPO法人プロテクトチルドレンの森田志歩代表、NPO法人ストップいじめ!ナビの須永祐慈副代表らが、10月31日に文科省で記者会見を開いた。
 今回の調査結果の分析にあたったストップいじめ!ナビの須永副代表は「いじめを止める要因の一つに、教員が日頃から子供たちと十分に関わっているかというポイントがある。アンケート結果によれば、教員も子供たちと触れ合う時間を持ちたいと思っており、葛藤があるのだろうと感じる」と指摘した。
 また「教員が忙しいと、教室の不安を呼ぶ。いじめられて苦しい時には、苦しさや現状を受け止めてほしいが、その時間が遮られ、放置されることにより、悲しみや傷つきが深まる。いじめの被害者は、加害者への報復や処罰を望むよりも、むしろ『元に戻りたい』と思っていることも多く、そのために教員にサポートしてほしいと思っている」と、教員が子供たちに向き合う時間を確保することの大切さを語った。

教育新聞 https://www.kyobun.co.jp/news/20221101_03/

この調査に関すること、教員の働き方に関する課題は、いじめや不登校についてもかなり関わりがあるので、2023年以降も、継続した取り組みとなっていきそうです。

「負担・ストレスを感じる業務」 東京新聞が作成したグラフ
https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=211272&pid=813800



【ネットトラブル・TikTok】
TikTok Japan セーフティパートナーカウンシル 22年度は6回ほど

最近のSNSのトレンドは、特に若者を中心にTikTokがメインになりつつあるぐらい注目度が高いと思いますが、もう4年ぐらい前から、TikTokが主導して、SNSでの使用上についてのリスクやトラブル解決のための会議(カウンシル)のメンバーとして、参加しています。

そもそも、「ストップいじめ!ナビ」としてカウンシルに参加はしているものの、TikTokの執行役員さんとのつながりもあり、主に須永が担当しており、会議だけでなく、TikTokが発信する安全のための情報とか、TikTok内のコンテンツ、プログラムに至るまで、意見を言ったり、会議で講演するなどの展開をしてきました。

SNSは、ツイッターやLINE、FB、Instagramなど、さまざまなツールがありますが、ここ数年、若者のトラブルに関する対応策の関心は各社とも高く、取り組みが進められていますが、特にTikTokはかなり力を入れている印象ですし、実際にトラブルになった際のプログラム等はかなり強化している方だと思います。しかし、その辺りの具体的な対策に関する情報発信は、学校現場や保護者、何より子どもにはまだ届いていない現状とも感じるので、そこでどのように役に立てるかと、私も模索しているところです。


2023年も、できる発信、続けてまいりたいところです。(ご覧いただきありがとうございます)

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