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【中編】データドリブンな経営と財務を学ぶということ

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「お金を借りる」ということの本質


ナカムラ:
もう少しお金の基本のことを話すと、お金って目減りするって知っていますか。よく政府がインフレ目標3%とかって言ってるんですけど、わかりやすくざっくり言うとお金の価値が3%下がるっていうことを目標にするというのがインフレ目標3%なんです。
健全な社会ではモノがだんだんと高くなる。それに伴って給料も上がって、そして経済が発展していくっていうのが基本的な社会。そうすると、今の100万円は1年後に97万円の価値になってます。
というのも、日本人は貯金が美徳だと大正時代以降くらいから思わされているんだけど、貯金をすると今みたいに金利がほぼつかない。実は貯金をしていると目減りしているのです。 100万円持っていたものが、1年後には97万円とか95万の価値しかなくなっているのです。金利があるから増えているんじゃないかと言うかもしれないけど、満期になって増えてもないですもんね、全然。

ナカムラ:
だからお金は基本的に寝かしていたら、腐っていく。なので、循環させていく方が本当はいい。お金が水だとして、目の前の池に水をいっぱい溜めた人がお金持ちじゃないんですよ。 循環させないとお金って目減りしていって腐っていくので、池にお金を貯めちゃ駄目なんです。お金持ちって何かというと、目の前に川が流れているとすると、その川が今持っている水が、今使えるお金なんです。この川を太くしてって、自分の目の前を循環していく水を増やすというのがお金を増やすということなんですね。
そのお金の流れの太さをちゃんと見るというのが、財務です。そしてその量を計算するのが、会計です。
なので、お金は回さないといけないし、貯めてはいけないというのが基本原則。日本はデフレなので、わからなくなっちゃう。  

中島さん:
僕が日本に住んでいたときに吉野家が400円ぐらいで食べられて、この前行った時もまだ400円くらいで食べましたから、この20年間でほぼ物価が変わってないっていうことじゃないですか。日本って経済が成長していなくて、デフレで物価が抑制されて給料も上がらないという社会。今アメリカだと、銀行にお金入れると金利が4%とか5%つくんですよね。だから、株とか投資信託をやろうと思ったら、それ以上の利回りがなかったらやらないわけですよ。  

ナカムラ:
会社って貯金額が大きくなっていってもだんだんだんだん目減りしてくるから、常に成長するためにはそれを増やしていくっていうことを考えないといけない。お金を借りるっていう話に戻すと、わかりやすく言うと、ドラえもんのタイムマシンを手に入れるのと一緒です。お金を借りると金利っていうものを払わないといけないですよね。100万円で借りたものを5年後に110万円で返しますって約束をすると、その5年後のお金を今、手にすることができるんです。その金利の10万円はタイムマシンに乗った費用なんです。
例えばわかりやすく言うとChatGPTでビジネスを立ち上げようとしたら、多分今しかないです。 ChatGPTで金稼げるのは多分ここ1年ぐらいの話だと思います。それを、ChatGPTの事業をやるぞって言って、自分で少しずつビジネスを立ち上げてお金を貯めてって、5年後に事業しようと思ったって多分ChatGPTの事業はそのときはできないです。
なので、タイムマシンとして、今お金を借りてChatGPTの事業を今立ち上げるんです。立ち上げて1年後ぐらいまでに儲かるので、バーって儲かったときに何やるか、次の新しい事業を考えようってやったらまたお金儲けれるじゃないですか。

ナカムラ:
110万円借りてるけど、ChatGPTの事業をやるぞって言って、例えば500万円利益が1年間で出るとすると、390万円お金が残るわけじゃないすか。てことは10万円の乗車賃を払っても、5年後にはChatGPTで稼げないんだから、今お金を借りてタイムマシンに乗るしかないよねっていうのが、実はお金を借りるっていうものの本質ですよね。 

データドリブンな経営と財務とは


中島さん:
そうですよね。
だから、今日のテーマがデータドリブンな経営と財務というところで、財務のお話をちょっと厚めにしてるのは、おそらくこのタイミングで必要なお金というものをきちっと考えて、必要であればそのお金を取ってきたいわけですよね。
取ってくれば今言ったみたいにチャンスを生かせるかもしれないし、生かせないかもしれない。でもやらなかったら絶対にできないわけなんで。そのチャンスはお金さえあればできることってあるから、このお金を取りましょうということです。
お金は根拠がないと誰も出してくれない。お金を貸してもらうにしても出資してもらうにしても、その相手に対して、ちゃんとこいつにお金出してもいいな、貸してもいいなって思わせなきゃいけないわけですよ。
そのためにはデータってのが大事になってくるというのが僕はあると思っています。
 
ナカムラ:
会社で新しいことをやろうとしたときに、会社の同意をなかなか得られずに新しいことにチャレンジできませんっていうお悩みはかなり寄せられるんですよ。皆さんの職場とかでもあるかもしれません。
こういう取り組みは多分儲かるからこういうことをやりましょうって言ったときに、なかなか会社からGOが出ない。それを解決する良い方法が、実は会社を経営する以外に社員としてそういうプロジェクトを何かするときに、「こういう事業はこのくらい儲かって、今やると開発コストにこのくらいかかって、利益はこのくらいで、今会社で新しい売り上げを作る部分でこの部分っていうのは多分一番有利だから今これをやりましょう」という話を財務的な資料をちゃんと作れてやると良い。多くの会社員の人でアイディアとマーケット調査みたいなものまではやるけれども、その財務的な知識がないので、会社を説得できないということが多くあるんです。
 
中島さん:
企業内であれば、今言った投資家とか銀行というところを、自分の上司や自分の事業部と考えればよくて、要は自分の所属している事業部の予算の中からいくらか回してもらいたいわけですよね。
例えば、予算がその事業部の中で年間何千万円か何億円かあるとして、「自分はこのビジネスやってみたいんだ、そのためにいくらかかるんだ。でもこういうふうにやっていけばこんだけリターンが返ってくるんだ。だから僕にこの予算をください」っていう言い方をすればかなり通ると思う。
 
ナカムラ:
そうなんですよね。日本のサラリーマンが昇進するためにはプロジェクトを成功させないといけないじゃないですか。
会社に利益を残さないといけない中で、皆さんが苦労してるのは、会社にそのプロジェクトをやろうぜって言ってもらえるっていうことなんですよね。そのためにアイディアはある、そしてマーケット調査の仕方は我々が教えてるようなやり方でうまくいくことがわかっている。
でも一つ足りていないのは、データドリブン経営。感情とか経験とかではなくてデータや調査をもとに、この事業がうまくいく、いかないという判断をする上で、データの一つとして非常に大事なのが、その未来予想をする財務という考え方なんですね。
なので、メリットデメリットでプロジェクトをやりましょうっていうけど、それをきちんと数値化しましょうということなんです。
 
中島さん:
企業の中にいるのであれば、まず最初にやらなきゃいけないことは会計報告とか有価証券報告書を見ること。自分の会社はどういう財政状況などか、会計状況なのか全部見れるわけですよね。
もし会社が上場していなかったとしたら、お願いしてみせてもらうしかないと思いますが、とにかくまず上層部は何を持ってあなたがやりたい事業をGOするかGOしないかを判断するかと言ったら、まず自分たちの懐具合から始まるわけじゃないですか。
 
中島さん:
加えて、どの会社でも今年の戦略とか方針とか出てるじゃないですか。その方針というのがあって、その方針に合致してるか合致してないか。合致して、そしてそのバジェットが予算内なのかそうじゃないのか。予算内であったら、そのお金の使い道が本当に会社でやって意味があるかどうかという順番になっていくはずなんですよ。
事業の話を持っていって、社内で話が通らないんですっていう人は、財務諸表を見てるのかという話になるんですよ。
だから、データドリブン経営っていうのは別に経営者じゃなかったとしても1部門の人だとしても、この考え方を持ってるだけで経営者からすれば、その人と話ができるんですよ。
 
ナカムラ:
なので、会社で出世したいとか、経営者としてお金を持ちたいとかいう方は、会計と財務ということを知っておくといい。こういう起業家のセミナーとかで日本でよくあるのは、会計までしか教えないわけですね。
皆さんが、ざっくりでもいいから会計と財務を手に入れることで、実は昇進できたり、自分の会社を大きくしたりすることができるっていうことを、まず知ってもらいたい。

消費者マインドと生産者マインド


中島さん:
消費者と生産者、という考え方がありますよね。
例えば人は絶対に消費者の側面と生産者の側面の両方を持ってたりするわけです。メーカーで勤めてる人はメーカーの仕事やってるときは生産者としても作るわけだけど、スーパーマーケットに買い物行ったときは消費者として買うわけじゃないですか。
仕事をしてるときにどっちのマインドで自分が仕事をしてるかっていうのを自分に問いかけてみるのはすごくいいことだと思っています。
消費者のマインドでいけば、自分が企画を考えて上司に持っていきました、でも上司にはねられましたって言って終わっちゃうのは、買い物に行ったのに自分が欲しいものが買えなかったって言って帰るのと変わらないわけですよ。基本的に経営側の人ってのは、生産者なので物を仕入れて、付加価値つけて売って、どんどん大きくしていくっていうのをやってるから生産みたいなもんじゃないですか。
 
中島さん:
この感覚を普通の一般のスタッフの人とかでも持ってれば、自分がこれをやるこれをやるってことはつまり会社の資産を借りるなり何なりしてもらって、その資産を使って自分がこれを大きくしてリターンを作って、そのリターンを還元して、それを再投資するのか、会社に返すのかどっちかなんですけど、つまりこの調達してきたものに価値をつけて、世の中に出して、外から対価をもらってこの利益分を返すのか再投資するかっていう。この流れを自分がやってるって自覚があれば、多分そういう話し方になってくるし、それに準じた資料を作ったりとか、プレゼンを絶対必要になれるじゃないですか。
だから、そこに切り替えられるいけるかってのはかなり大きなポイント。
 
ナカムラ:
それでいくと僕は経営者で、自分の生活全てにこういう観点を持ってるんですね。何か新しいものを買うときに、これは自分の感情で欲しいと思って消費者として消費してほしいっていう欲求を抑えられずに買ってるのか、それともこれを使うことで自分は何かを生み出せるのか。
わかりやすく言うと、新しいMacBookが出ましたと。これはみんながいいって言ってるから俺は欲しいと思って買うのか、今のパソコンでは僕の労働生産性はいっぱいいっぱいなので、労働効率を上げるためには新しいMacが必要で買う価値があるよねって判断してるのかっていうことを、日常生活でもやってます。
そういう考えを持つこと自体が財務の基本だし、投資なのか、浪費なのか、そういうことを判断する上では必要で、何を生み出せるのかっていうことを考えることが必要なんだけど、日本で起業家教育とかビジネスの教育をやるときって金融の専門家じゃない限りこんなこと教えられないんですよ。
 
ナカムラ:
会計をやれるとすごく有効で。会社でいくとプロジェクトをやるときに、このプロジェクトをやるとメリットが出ますよって言ってメリットを調査して、いろんなものを羅列するわけじゃないすか。
うちはこんだけ売上上がりそうなプロダクトあるものを売ってますよっていうよりも、マーケットがこんなふうにありますよプラスマーケットがこれだけあればこのくらいのものを取れてそれに対してうちは今このタイミングだとこんだけ売り上げが伸ばせそうですという数字を資料に落とせたら、うちはランニングコストがこれだけかかっていて利益としてこれだけ残ることが予測できるから、あなたからお金を借りても返せますよって言ったら、銀行ってお金を貸すのを断るのが商売じゃなくて、お金を貸して利益を上げるのが商売なので、貸したいじゃないですか。
 
中島さん:
相手が銀行であれば銀行が理解できる言い方で、銀行がお金出したくなるような話を持ってなきゃいけないし、相手が自分の上司であればその上司が納得して「やってみろよ」っていう話の仕方を持ってかなきゃいけない。皆さんは何かを実現しようと思ったら、家がすごい資産家ですっていう人以外は、誰かから資産とその資金を調達しなきゃいけないから、投資家が貸したくなるように話を持っていかないといけない。
これがもう財務の大基本なんですよ。組織の中にいようと外にいようと。
だって自分のお金だけでやるんだったらいいんですよ、考えなくて。でも、誰かのお金を使わせてもらって、それを使ってビジネスを事業をやって、それでリターンを返してきて取ってくるから、この人はあなたにお金を出してもいいよって話になるわけなんで。
だから、その感覚が絶対必要で、これがないと多分商売一緒にできないっていうのがあるんですよ。

学びは人生を変える


中島さん:
自分がなんで経営が嫌だったかっていうのは、僕は今の言ったような話を20代のときわかんなかったので、値段をつけれなかったんですよ。
値づけの失敗って安売りすること以外ないんですよ。高く売って失敗したってのはないんですよ。だって高くって、もし買ってもらえなかったら買ってもらえなかったになりますけど、買ってもらった後の失敗にはならないじゃないですか。
でも安く売っちゃうと取引が始まっちゃうから、この後苦しいんですよね。
で、当時20代のときに、全くわからないからいくらのせていいかわかんないわけです。そうするともう家計簿感覚ですよ。
自分の生活の中で10万円は大金だったら、10万円乗せるのが怖くなるわけですよ。初めて書いた僕の請求書ってさっき言ったけど30万とか40万だかの請求書で、それでもうドキドキしながら高いと言われたらどうしようと思って別に1万円でも2万円でも利益あればいいかぐらいに思っちゃってやるわけですよ。
 
中島さん:
だから経営がいやだった理由ってのは、お金のことがわかんなすぎて、どうやったらわかるかもわからなかった。わかんないことって嫌じゃないですか。わかんないけど大事だと言われてることがわかんないし、何から勉強してもいいかわかんないときって路頭に迷うじゃないですか。
それで僕は逃げたんですよ。ベガス行ったんですよ。自分で商売をやるなんて、経営なんかとてもできないから、32歳のときに雇われ人として安定した生活をしようと思ったのに、また経営に戻っちゃったんですけど。

中島さん:
今の会社も大きな会社の一部ではあるんですけど、僕が入ったときには売り上げがなかった状態で。だから今でも一番最初にうちの会社で出した請求書の見積もりを覚えています。
300万円とかそんなもんだったと思うんですけどそれでもドキドキして、それがね向こうにとっても取ってもらえるかどうかなと思って。
その金額に対して自信がないとき、根拠がないときって、安くしちゃうんすよ人間。高く出せないじゃないですか。自信がないから。でも、それでもしお客さんが買っちゃった場合に、安く売ってるから苦労するわけっていうのをやっぱ最初の頃にいっぱい経験をしたわけです。

中島さん:
本部からはもっと利益取れ、って言われるんですけど、利益ってどのくらい取れば適正なんだろうってわからなくないですか。最初わかんなかったから、ネットで調べるんですよ、適正な利益率とかありますよね。
だんだんや何年かやっていく中でうちの会社にとってこのぐらい取ってるのが適正だなとか、どういうふうにうちの会社を変えていけばもっとうまく回せるってわかってくるようになるんですけど、やっぱりその20代のときと、ある程度年齢いってからの違いっていうのは、全く真っ暗闇の森の中をさまよい歩いているというわけではなく、多少1個ずつ何をクリアしていけばいいのかっていうのが前よりはわかるようになったので、絶対嫌だっていう拒否反応というよりは、学びながら覚えていってだんだん良くなっていくっていう、ゲームをちょっとずつクリアしていくような楽しさの方が上回っていったっていうのは、ここ何年かですよね。
 
ナカムラ:
それで言うと多分皆さん、こうやって学びに普段から来てるってことは、自分の人生好転させたいって思ってるはずなんですね。資本主義経済に生きている上で、自分の人生を好転させるために実は大事なことって、お金の本質を知ること。
さっき言ったみたいにお金は目減りしていくよね、社会は基本的にインフレとして少しずつ物が高くなっていくよね、みたいな、お金は元々どこから来て、金利って何なんだろうっていうことを知ってるのと知らないのでは、ツネさんの言い方でいくと真っ暗闇の森を歩くのか、少しずつ明るくしていくのか、懐中電灯とかろうそくとかを手に入れながら周りを明るくしていくのか、ていうことをやるのとやらないのでは、こけるかこけないかは変わりますよね。
 
ナカムラ:
会計と財務の話を勉強するっていうことはそういうことなんです。
皆さんの人生自体で人生を良くしていく上で、多分この話は必須なんだけれども日本ではそこまであまり教育をされてこない。なので実は政府とか最近投資を勉強させようと日本では言うんだけど、いやそれ以前の問題でしょっていう話なんですよね。
 今日データドリブンでって言ってるけど、実はそんな難しい話じゃなくて、これがわかることによって、人生どう変わってくるんだって話を理解してもらいたい。そしてそれを勉強するきっかけになればいいなと思っています。
 


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