見出し画像

【5】ベーシックトラストが失われること。これだけは避けたい。(不登校からのキャリアデザイン⑤)

※この記事は2019年8月18日に京都市で開催した、イベント「不登校からのキャリアデザイン〜「行かない」の先を、生きやすく。〜」における講演・パネルディスカッションの書き起こし原稿になります。登壇者・主催者のプロフィールはこちら


「ベーシックトラスト」が失われることが一番避けたいこと

曽:そうですね。不登校の家庭って、「学校サバイバー」って言えると思うんです。まさに、 親子で学校に行かなくてはいけないという同調圧力の高い年代をサバイブしていくという 感じ。結局、途中で不登校を経験したとしても、大人になった時点、採用の段階とかで、僕ら「根拠のない自信」って呼んでいるんですが。そういった自己肯定感が消されず、根っこまで死んでしまわずにちゃんと残っていた人が、今のところふるい落とされずに来た人の特徴なんですよね。

逆に言うと、そこが一つのポイントですよね。学校行かないと「ダメな感じ」がしますよね、 家にいると自分の子どもがダメなんじゃないかと親が思って、それが子どもに伝わる。そうすると自己肯定感、さっきいった「根拠のない自信」「ベーシックトラスト(社会に対する 基本的信頼感、頑張れば報われるとか、人は信頼できるとか)」と言いますけれど、それが失われること。そこは一番避けたいことかなと思います。

採用活動のブルーオーシャン?就活アウトロー採用

門:曽和さんありがとうございました。「学校サバイバー」という言葉も出ましたけれど。 まさに、小中高という、学校に行くことが絶対とされる価値観の中において不登校の道を生きていくのは、ある種、獣道のような。すごく大変なケースもあります。そんな中で、その獣道の中に、いろんな多様性とか選択肢を広げていくということをされているのが中島さんです。

中島(以下、中):中島です。よろしくお願いします。曽和さんのお話を聞いてとても面白かったですね。それだけで今日来た甲斐がありました。これからの企業の採用基準、スパー ク人材、デコボコのある人材といった話、これってまさに不登校の子どもたちの特性であり、特色なんですよね。ということは、これからの企業の採用基準と不登校の子の特性に、親和性が非常にあるなと感じました。

曽:マッチングシステムがまだ整っていないだけなんですよね。一部できているんですよ。

中:そうですよね。すごく可能性を感じます。間違いなく感じたのは、今の不登校児の大逆転期が始まるなとわくわくしています。面白いですね。

曽:就活アウトロー採用というのがありまして、ぜひググってみてもらいたいんですけど。 不登校じゃないですけど、普通の就職活動をみんなが一斉にやるからって言って、俺はやだよ、という。みんなが就活をやる時期にやらなかった。そういう人って、一定数いるんですよ。

そういう人たちを集めてやっている「キャリア解放区」というNPO団体があるんです。そこに僕らもよく出ていって、実際採用したりしてるんですけど、優秀なんですよ。

スパーク人材がいたりとか、そこから入っていく会社もいわゆる学校に行ってエリートとなった人が入るような企業に入って活躍するみたいケース が、まだ一部ですけど出始めています。

門:みんながいくルートやみんながやっている行動に特性上、乗っかれない、一緒にやれない人に、実は能力があるっていうことに世の中が気付き始めている。

曽:わかっているところが出てきて、今むしろブルーオーシャンというか、企業側から見ると、ここにいっぱいいるじゃん!という感じになりつつありますね。

【連載:不登校からのキャリアデザイン】

https://note.com/sunaba_corpo/m/m2f2850979f50

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?