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【4】デコボコでも、「この部分は負けない」というのがある人がいる組織は強い(不登校からのキャリアデザイン④)

※この記事は2019年8月18日に京都市で開催した、イベント「不登校からのキャリアデザイン〜「行かない」の先を、生きやすく。〜」における講演・パネルディスカッションの書き起こし原稿になります。登壇者・主催者のプロフィールはこちら


足りないところなんてあっていい。組織でやるんだから、それを埋めてくれる人は誰かいる。

曽:ある大手マスコミでは、スパーク人材がほしいという言い方をしています。スパーク(爆発)しているものを持っている人。他のこと全然できなくても、あるところだけずば抜けている。平均点なんてどうでもいいと。平均点とれるやつなんて腐るほどいると。でも足りないのはどういう奴かというと、スパーク人材。

足りないところなんてあっていい。組織でやるんだから、それを埋めてくれる人は誰かいる。組織全体としてうまくいけばいいのであって、個人の中ででこぼこしていることは別にいいんだと。でも、その代わりどっかがガーンと伸びているところがないとダメ。大手企業でも徐々に成功している企業を見て研究していくと、そういう人材をとって、そういう人材が行ける会社組織にしていっているところがうまくいっている。そういうことがわかってきたんです。

なので、みなさんのお子さんたちが大きくなったとき。5 年後 10 年後、生き残っている、 うまくいっている企業っていうのは、本当の意味でのコミュニケーション能力とか主体性 っていうのをちゃんとわかっていて、それを見抜いて、引き上げてマネジメントして、そういう人が働きやすい職場をつくりあげている会社じゃないと生き残っていけないようになってきているんじゃないかという予兆はあるんですね。そこは少し希望かなと思っています。

デコボコでも、「この部分は負けない」というのがある人がいる会社の方が 勝つんです。

門:不登校であった、学校に行ってなかったことは、採用上、どのような扱いになるんでしょうか?

曽:それも今、過渡期にあると思っています。例えば、私がいたリクルートなんかは、回り道した人ばっかりなんですね。採用責任者をしていたとき 1 回怒られたことがあるんです けど(笑)大学新卒って通常は21歳22歳とかなんですけど、新卒の平均年齢が25歳くらいだったときがあって。「何でやねん!」と役員の方に言われたんですね。

いや、「いい奴とったらこうなりました」って。高校出てから働いて肉体労働していたけれど、もう1回勉強したくなって大学入ったとか。留年したりとか、私も大学 5 年行きま したけど。結果論ですが、何にも偏見なく見ているとそういう人が面白いと思って採用していたんですね。

そういう会社は増えてきています。リクルートという会社は、人材輩出企業だと思うんですけど、色んな人が出て行って色んな会社をつくっています。その会社の社長、経営者は少なくとも、そういうことわかっているので、そういった採用の仕方をしている。

門:会社のあり方、採用のあり方は旧態依然とした部分も残りつつも、変わってきている過渡期だと。

曽:そうですね、企業のいいところはダメになったらどんどんダメになっていくので、変わろうという動きがあるので。さっきいったようなスパーク人材がいないような企業っていうのは、結局負けていくんです。

もうデコボコでも、「この部分は負けない」というのがある人がいる会社の方が勝つんです。っていうような原理が働くので、変化はある一定のところから雪崩のように起きるんじゃないかなという感覚をもっています。

門:大きな視点で日本社会を見たときに、ちょっとずつ動き出しているなというのは私自身も感じています。まず転職市場の流動化のスピード感がすごいですよね。終身雇用がなくなったのは当たり前。今までは 3 社以上転職している人はなかなかとってもらえなかった。ジョブホッパーといってどんどん仕事を変えていくような人が嫌がられていたのが、実はそういう人が汎用的な力を持っているとみられるようになるとか。

ここ 2~3 年の転職市場を見ただけでも物凄く変わってきています。そして、ここからまた徐々に変わっていくと思います。旧態依然とした部分は過半数残り続けるとは思いますけど、そうじゃない部分も出てくるなと感じています。

【連載:不登校からのキャリアデザイン】

https://note.com/sunaba_corpo/m/m2f2850979f50

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