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『きみの友達』重松清 をよんで

きみの友達という本を読んでの感想を書いた。
(ただただ感想を書いただけなので、読みづらいかもしれません…)

・「友だち」とは、というテーマで、恵美と由香の関係性と、人間関係に悩む周りの人が対比されてた。友だちとは、何かは明言されておらず言語化するのが難しいと感じた。一番わかりやすかったのは、ブンとモト君の章での「自分にとって損なことでも相手に利があることをお互いにできる」関係だった。ただ、一般化するには条件が弱い気がする。。。

 ・どんなに仲が良い友達と過ごしても、最期は家族と過ごす。「親友の由香」ではなく「娘の由香」になる。という言葉が印象的だった。

 ・短編の中で、いじめや集団になじめない話、優秀な人への劣等感の話、後輩にひがんでしまう話、病気の友達の死の話、姉の結婚の話などのシチュエーションの疑似体験ができた。

 ・三好君?の話の中で、「グリコでグーだけでしか進めない生き方もあるが、それでも進むしかない」とあり、共感した。地味で効率的ではないが、コツコツと地道に前に進むことはできる。

 ・最後の章の締め方が好きだった。今までのばらばらの短編集をきれいにまとめっていた。本の強みは①短編の時系列があべこべでも、続けることができる ②章が始まって読み進めているうちに誰の話が分かることだと思った。

 ・死んでからの話で、リメンバーミーの「生きている人から忘れられると、消滅する」設定を思い出した。

 ・それに関連して、由香の両親が恵美に向かっての「あの事のことを忘れて、高校に行ってから新しい友達をたくさん作るのよ」とのセリフが重い。心のどこかで娘のことを一生思っていてほしいと思う一方、人の親として恵美にも幸せになってほしいという思いがあり葛藤を感じた。

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