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【二人のアルバム~逢瀬~④安寿庵】(フィクション>短編)

美味しいわぁ。お抹茶もお菓子も。女将さんって気が利いてるわぁ。手作りですって。

—女将が創ったのかな、菓子。しつこくないし、食後のひとときに、旨いよね。それより、今日は着物、きれいだ。ライトグリーンで、女将が出してくれた食後のお茶に色があってて。迎えに行った時、見違えたよ。

そう? 今日は、偶然だけど、お友達のお茶会にお呼ばれされたの。
お洒落したわね。タイミングよくて、あなたとこうして逢えて。
この短髪でお着物に合ってるってのは意外よね。お友達も褒めてくれたし💓

—短髪でも、日本人だしね。あなたは特に着物が似合う顔してるし。
日本女性、って感じだな。

厭だ、赤くなっちゃう(苦笑)。そんなに褒められるのなら、もっと早くに着ればよかったわね(笑)。ホントに似合います?

―うん(笑)。惚れ直す。また赤面になるぅ。凄く色気あるな。見惚れる。

よく言うわ、お上手ね(笑)。でも、あなたの赤面って嬉しいわ。
午後から、お茶会の参加者さんで、住職様と、駅の近くのホテルのティールームで三人でお話していたの。12月に設営して薪能を主宰するから、是非、来てくださいねって。コレ、ご招待状、私とあなたの為に二通。スケジュールが引っかかったら、今日の友人と行くからいいけど…。お忙しいだろうし。

—薪能か。久しぶりだな。昔、よく行ったものさ。
12月,,,今年は予定が分からないからなぁ…。そうだ、あなたと行けるなら、先取りして置くよ。

わ、嬉しいっ。じゃ行けたら最高ね。

—会社帰りになるな。早めに切り上げて…。
先に先行予約するよ。部下に謂ってキープして置く。夕食に行けるのかな、能の後で。

行けるわ。八時くらいになるけど。その前後にご飯でもいいし…。私は八時が限界よ、寒くなるもの。あなたとココでご飯でも好くってよ。

—うん。ね、他に着物持ってる?

あるけど母の形見なので、古いのよ(笑)。柄が合わないから、新調しないとね…。

—俺が用意しよう。きっと似合うのを選ぶから着て来てくれ。好い?

嬉しいけど…。着付けもして貰わないと(苦笑)。

—安寿の女将がしてくれるよ。チップ、弾んで置くし。😉今夜含めて(笑)。

いやぁだ(笑)。年齢並みの訪問着で、オバアチャンに見えないかと(笑)。

—見えない、見えない。あなたが着物着ると色っぱくて好いなぁ。

あなたも似合いそうね。元々、お家柄、宜しいのだし。たくさんお着物、お持ちでしょうし。

—まぁ、或る程度ね。家元さんなんで。

あぁ、夢だわ。あなたと二人でお着物着て、散歩したぁい💚

—あはは~、俺もしたいけど、まずあなたの素敵な着物を作らないとね。
俺はビジネススーツで好いよ。仕事帰りだし…。
…今日は元気で一安心だな。
良かった。

そうね。今日はとっても気分良いわ。あなたと逢えて嬉しいし。

—こっちへおいで。

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