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黒澤明監督に紹介されて

大学4年生の時に、映画『乱』のメイキング班のスタッフに採用された。
1984年6月30日に兵庫県姫路市の大きなホテルのロビーで、中学生の時から憧れて、目標にしていた黒澤監督に会えることになった。
内心、うれしくてうれしくてたまらなかったが、その時頭をよぎったのが
「ここであまり喜びすぎると、プロ意識が足りないと、みんなに馬鹿にされるんじゃないか」という考えだった。
私は唇を噛んで、無一文字に結び笑顔にならないように、一生懸命我慢して無表情で黒澤監督と握手した。
翌日から丸1年間、10キロ以上の重いビデオデッキを担ぎながら、黒澤監督のそばで声を録音する経験をした。
マスコミが報じていた黒澤天皇という暴君はそこにいなかった。
情熱をもって現場を歩き回り、的確な指示を出し、穏やかな口調で俳優に演技指導する姿に、真のリーダーシップを見た。
以来映画界で働き、70mmドキュメンタリー映画の監督になった。

あれから38年がたった2022年、行方不明になっていた当時撮影した記録ビデオを見つけ出し、私費を投じて1本のドキュメンタリー映画にした。
その映画『Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク』が、今年のゴールデンウィークにやっと劇場公開される。
4/29土~5/12金 ポレポレ東中野で『乱 4K』も同時上映される。

今にして思うのが、何故あの時、素直に笑って黒澤監督の大きな手を握れなかったのだろうということだ。
仏頂面で挨拶をして、黒澤監督に大変失礼なことをしたと、今ではとても後悔をしている。

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