『乱』ビデオ取材で1年一緒にいたのに黒澤明監督との2ショット写真は1枚もありません…、残念。

1984年7月1日から1985年5月31日まで黒澤監督を密着取材しました。
音声担当だったので毎日監督の言葉を聞けたのが最大の宝物。
直接言葉を交わすことはありませんでしたが、一度だけ労いの声をかけて頂きました。
梅雨の時期撮影中止が長引いた後、久しぶりの現場で
「ずっと撮影が無くて、退屈だったでしょ」
と黒澤監督。
「あ、いいえ」
当時大学4年生で口下手だった私は、気の利いた返事もできずそれっきり。
折角の会話チャンスを逃してしまいました。いまだったら、
「ずっと撮影済みのビデオを見ていたので、とても楽しかったです」とか
「監督は編集で大変でしたでしょう」とか
何かしら会話にしようと頑張ったはず。
もっと貪欲な青年でありたかった。