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私が読んだ本の感想を書いたnoteを纏めたものです。
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マルジャン・サトラピ著「ペルセポリス」を読んで思うこと

マルジャン・サトラピ著「ペルセポリス」を読んで思うこと



作者のマルジャン・サトラピさんは、私とほぼ同年代。

彼女が小学生の時、イランはイスラム革命があり、イラン・イラク戦争にと暗い時代に突入する。
そして、14歳でたった1人でウィーンに留学し、人種差別を経験し、ホームレス生活を経験しと、
日本でのほほんと暮らす私とは正反対の暮らしを経験。

日本に住む私と、イランに住む彼女。
イランというと、日本からは遠く離れていて、日本にはあまり馴染みがなく、

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都築響一編「捨てられないTシャツ」を読んで思うこと

都築響一編「捨てられないTシャツ」を読んで思うこと

初めてTシャツを買ったのは、いつだったか。
確か、沖縄に旅行に行った時に、THUNDERBIRDSのTシャツを見付けて買ったのが、私の初めてのTシャツだった気がする。

結構気に入って着ていて、大事にしていたので、未だに持っていて、たまに着ています(笑

他の服にも、服にまつわる思い出は必ずあると思うのですが、何故かTシャツにはその時の思い出をいつまでも憶えていたり、色濃く思い出したりする。

T

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ケヴィン・クワン著「CRAZY RICH ASIANS」を読んで思うこと

ケヴィン・クワン著「CRAZY RICH ASIANS」を読んで思うこと



2018年に公開された映画「クレイジー・リッチ」の原作本。

中国系アメリカ人でごく普通の家庭で育ったレイチェル・チュウと、シンガポールで代々続くオールドマネーの名家出身のニック・ヤンの結婚を巡るラブコメディ。

「ジョイ・ラック・クラブ」以来の主要キャストがアジア系の俳優で占められたこの作品は、クレイジー・リッチ達の派手なお金の使い方を表現する為か、煌びやかな演出が施され、又シンガポールの観

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本人著「こうしておれは父になる(のか)」を読んで思うこと

本人著「こうしておれは父になる(のか)」を読んで思うこと



著者の本人さんを知ったのは、長渕剛の富士山麓での10万人オールナイトライブのtweetを見た時。
独特な語り口調がとても面白い人だなと(笑

その後もフジロックや様々なロックフェス現場、ライブ現場でのレポ、日常の呟き等々、本人さん独特の語り口調で語られる内容に思わず大笑いしたり、クスクスと笑ったり。

そんな本人さんが男性と知ったのは、彼女と阿波踊りしにいったのと、同時にその彼女が妊娠していて

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花房観音著「うかれ女島」を読んで思うこと

花房観音著「うかれ女島」を読んで思うこと



三重県にある売春島と呼ばれる渡鹿野島をモデルに書かれた、1人の男性と、4人の女性を巡る物語。

この5人を結び付ける共通点は、うかれ女島。
島で置屋を営んでいた女性の息子と、この島でかつて娼婦として働いていた4人の女性達。

男性が持つ女性への処女願望。
それを真っ向から否定する女性達。

女性は、性欲を表立って出してはいけないのか。
女性は、性的快楽を追求してはいけないのか。
娼婦は、何故蔑

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高木瑞穂著「売春島」を読んで思うこと

高木瑞穂著「売春島」を読んで思うこと

花房観音さんの本が好きで、新刊が出る度に必ずチェックしています。

彼女の著書「うかれ女島」が出る時に、ご本人がこの本を紹介していたので、「うかれ女島」を読む前に、売春島と呼ばれている三重県にある渡鹿野島をレポートしたこの本を読む事に。
(「うかれ女島」は、この売春島と呼ばれる渡鹿野島がモデルに書かれているようです。)

ヤクザとお金が絡み、巨額の富を生み出した島で何が行われていたのか、その島で娼

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アラタ・クールハンド著「FLAT HOUSE LIFE」と「HOME SHOP STYLE」を読んで思うこと

アラタ・クールハンド著「FLAT HOUSE LIFE」と「HOME SHOP STYLE」を読んで思うこと

平屋の家って、見なくなりましたよね。

以前は、ここら辺に平屋が何軒か建っている地域がぽつぽつと何ヶ所かあったのですが、今では4軒纏まって建つ箇所を除いて、全てが2階建ての住宅です。

そんな時に、以前から空き家になっていた2階建ての家が解体され、また新しく2階建ての家が建つか、小さい土地に小さい2階建ての建売住宅が建つんだろうなと思っていたら、平屋の家が建ちまして。

え?今時、平屋?

と思っ

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エリック・ラーソン著「悪魔と展覧会」を読んで思うこと

エリック・ラーソン著「悪魔と展覧会」を読んで思うこと



毎年、銀座のヴァニラ画廊で開かれている「シリアルキラー展」。
ジョン・ウェイ・ケーシー等、欧米のシリアルキラー(連続殺人犯)達が描いた絵が紹介されている、一風変わった絵画展です。

そこで知ったH.H.ホームズ。
19世紀末、シカゴ博覧会の準備が急ピッチで進むシカゴ。
博覧会に来る客を目当てに建設された、ホームズ所有の「ワールズ・フェア・ホテル」にて、一般には200人もの被害者がいるとされてい

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酒井順子著「子の無い人生」を読んで思うこと

酒井順子著「子の無い人生」を読んで思うこと



Oliveでマーガレット酒井のペンネームでエッセイを書いてる頃から、酒井順子の文章は好きで読んでます。
酒井さんの本は、いつも良く人を観察しているな〜って思うんですよね。
そして、斜めから見ているような視点も好き。

「負け犬の遠吠え」では既婚と未婚がテーマでしたが、「子の無い人生」では子持ちと子無しがテーマとして、沖縄の相続事情「トートーメー」の事や、不妊治療や少子化問題を語っていく。

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藤沢和希著「ぼくは愛を証明しようと思う。」を読んで思うこと

藤沢和希著「ぼくは愛を証明しようと思う。」を読んで思うこと



指南書的なエッセイ本かと思っていたら、小説でした。
そこんとこ、意表を突かれた。

いつの時代も、ここに描かれているモテる男性達は沢山いたと思うけれど、その行動を心理学的なものや、金融学的なものの観点から、分析したものはなかったのでは。
ほほほー!こういう考え方、とても新鮮!と思いながら、一気に読んでしまった。

カッコいいから、女心が判るから、だからモテるんだよねという単純なものではなかった

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あたそ著「女を忘れるといいぞ」を読んで思うこと

あたそ著「女を忘れるといいぞ」を読んで思うこと



女を忘れるといいぞと言いつつ、女を忘れる事が出来ない、他人の視線が気になって仕方ない、世の中の理想とする女というステレオタイプに、無意識に自分を当て嵌めていて、もがいている様が手に取るように感じられて、読んでいてとても辛かった…
twitterを眺めていても、彼女のような女性が多いなと感じる、今日この頃。

この本が共感を呼ぶのは、とても良く判る。
2002年 VoCEで安野モヨコが連載「美

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米澤泉著「おしゃれ嫌い 〜私たちがユニクロを選ぶ本当の理由」を読んで思うこと

米澤泉著「おしゃれ嫌い 〜私たちがユニクロを選ぶ本当の理由」を読んで思うこと



おしゃれ嫌い 〜私たちがユニクロを選ぶ本当の理由 / 著: 米澤泉

バブル期の頃、会社には制服がありまして。
一般職も総合職も、女性は皆お揃いの制服着ていました。
まぁ、総合職の一部の女性は、制服着たくない!と上司に訴えて、制服着なくても良いよと言われている人もいましたが。

会社で制服だと、遊び着にとことんお金かけられるんですよね(笑
本当に、あの時代、家着はスウェット又は寝巻き、外出着は

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井出穣治著「フィリピン 〜急成長する若き「大国」〜」を読んで思うこと

井出穣治著「フィリピン 〜急成長する若き「大国」〜」を読んで思うこと



フィリピン 〜急成長する若き「大国」〜 / 井出穣治

フィリピンに住んでいた時、日に日に成長していくフィリピンを目の当たりにし、そしてその成長から取り残されていく貧困層を見ていて、この国は今後どうなるのかな?と常々思ってました。
大統領がアキノ大統領から、ドゥテルテ大統領に代わり、そんな時にフィリピン経済が爆上げしていると聞き、出会った本がこちら。

アジアの病人と言われた国が、アジアの希望

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神康幸著「J WAKE UP! MOTHER FUCKER Ⅰ& Ⅱ」を読んで思うこと

神康幸著「J WAKE UP! MOTHER FUCKER Ⅰ& Ⅱ」を読んで思うこと



J WAKE UP! MOTHER FUCKER 今夜、世界ヲ焼キ尽クセ!! / 著: 神康幸

J WAKE UP! MOTHER FUCKER Ⅱ 烈火ノゴトク、焼キ尽クセ / 著: 神康幸

Jへのインタビューとライブレポを纏めた本で、Jが好きな人ならかなり読み応えのある本。
1の方は、生い立ちから、LUNA SEAの立ち上げ、LUNA SEAの1年間活動休止の間のソロ活動の様子を追った

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