見出し画像

閉店後に現れる霊

前に働いていた職場は、閉店時間が割と遅めの雑貨屋さんでした。

部署が多かったので、ヘルプであちこち呼ばれることが多く、いつものように、人数の足りない部署の閉店後の掃除を頼まれました。

その場所は家具が主におかれており、2階から中二階に5段くらい上がる階段があって、狭いスペースに棚が陳列されて、家具もギュウギュウに詰め込まれています。

中二階は、奥は行き止まりになっています。階段を上って、そして下りてこないといけません。

私を含め、三人その部署に居たのだけれど、レジの計算が合わないということで、二人はレジしめとトラブルに追われていて、私はヘルプで他の部署から来たので、お掃除にまわることに。

私は、ほうきを持って、中二階に、階段の前に立ちました。

閉店は照明をほぼ落としており、ちいさな明かりが所々点々とついている状態で、みるからにちょっと怖い。

時間は深夜1時。

勇気を振り絞って階段を上り始めた。

すると、奥のほうで、女性のシルエットが左から右へ移動していくのがみえました。

長めの髪で、ロングスカートにTシャツで、細くて、顔はみえなかったけれど、キレイそうという雰囲気。

あまりにハッキリみえたので、あ!お客さんまだ残ってる!?と思いましたが、一瞬目を離した瞬間にみえなくなってしまいました。

実は右奥に倉庫があったので、変なお客さんだったらどうしよう。と思いました。わざわざ閉店後に残って。暗いから閉店なのはすぐ分かるはず。まさか、倉庫で過ごして泥棒なんかするつもりなんじゃ。と思いました。

すぐに奥まで走ってお客さんを探しました。誰もいません。

倉庫にも行って電気をつけました。誰もいません。

レジにいる2人に、お客さんがまだ残ってることを伝え、階段から降りてきたか聞きました。

「あー、ここ出るよ。」

レジにいた先輩のMさんが言いました。

へ?っと拍子抜けしたけど、レジに一緒にいたKちゃんは、霊感がものすごく高く、仕事中も憑依されかけて倒れたことがあったなと思い出しました。

Kちゃんが苦笑いしながら

「ロングスカートの細い女の人でしょう?ほっといて大丈夫だから」

私は鳥肌がたちながら

「えーーーー!」と言いました。人だと思ったけど、違ってたのかーい。

MさんもKちゃんのほうを見て、苦笑いして私に言いました。

「もういつもの事よ。はい、そんな事より、仕事仕事。帰れないよ!」

先輩方がその後も冷静に仕事進めてたので、私も落ち着きを取り戻し、掃除を終わらせました。な、慣れてる…


お金という、回り回って巡り巡る縁。あなたのもとにも、幸せな気持ちで戻っていきますように。