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まるまるの毬 西條奈加 読書感想

町民の口に入る値段で菓子を作る南星屋。
さまざまな土地を歩き、作り方を聞き、その日に出来るお菓子を売る。
その主人・治兵衛はお殿様の血を引く秘密があった。

江戸を舞台にした時代小説だけどお菓子が絡んでいて読みやすい。

シリアスかと思えばほのぼの。
当時、オーブンもなく材料も今ほど簡単に手に入らない中、さまざまな工夫で作られるお菓子が美味しそう
和菓子だけでなくカステラや飴、季節のものとお菓子と共に生活が根付いているのも面白い

治兵衛の血の秘密はあっさりと終わるものだと思ったら、最後も引っ張って意外だった
もっとこう、水戸黄門的になんとかなった!になるかと思ったのに

時代が時代だからどうにもならず好きなだけではだめというのが悲しい

ちょっと前向きな未来の姿勢が見えて救われた

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