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ぎょらん 町田そのこ 読書感想

ぎょらん
最後の願いが形になった赤い玉
それを口にすると死者の願いが見えてしまう
ぎょらんに取りつかれて引きこもってしまった朱鷺
しかし葬儀屋に勤めて少しずつ社会復帰していく

ぎょらんにまつわる連作短編

最初は朱鷺の妹・華
夫との静かな別れをする妻
葬儀屋に勤めている朱鷺の先輩の千帆
母からの過干渉に苦しめられていた美生
朱鷺の同級生の小紅
そして最後に朱鷺の家族の話


一番最初の華が不倫の上でその相手にどう読んでも大切にされていないのに(さらに驚くことに不倫相手はもう一人いてどう見てもそっちが本名)気付かないふりして私も愛されていたとしているのがとても痛々しい
導入部分なのでちょっときつかった

他の話はぎょらんがあるかはわからないけど、死者と向き合う話で良かった

ぎょらんがあるかどうか
それはわからない
亡くなった人の願い これも憶測でしかわからない

ただ生きている間に精一杯のことをする
それでもやり切ったというようにはならない この辺りの正論が響いた

もっと早くに、と何度も後悔しながら生きている
すっきりとした最後を迎えられるかどうかは自分次第だ

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