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愚行録 映画感想 嫌な気持ちになる

記者の田中は拘留中の妹を訪ねていた
妹は娘への虐待の罪で拘留されていた
心配した編集長は田中に以前追いたいと話していた田向一家殺人事件の記事を許可する
一見幸せそうな田向一家
エリートの夫、美人の妻、可愛い娘
未だに犯人は逮捕されていない
田中は関係者達に話しを聞くために動いた

観て、すぐにこれかなり前に原作の小説を読んだと気付く

その時は具体的な大学名が出ていて、いいのかと思った記憶
さすがに映画には出していなかった
エスカレーター式で内部の人と外部の人という分け方はしていたが、あの学校というのは出していない

主演の田中を演じる妻夫木さんの暗い表情、席を譲れと言われた直後に足の悪いフリをするなど、この作品は登場人物を演じている人達がうまくハマっている

被害者となっている田向浩樹 同僚はなんであんな良いやつがと言うが、やっていることは最低
気持ち悪い
浩樹の元カノも似てます? これも気持ち悪い
妻の田向友季恵(旧姓夏原)は知人から恋人を奪ったり、女性からは完全に男受けに振り切っていると評されている
その友季恵と付き合ったことある男は絶対に友季恵の悪口を言わないのが笑えるというか見る目ないなというリアルさ

田向夫婦を取り巻く嫌な人間関係

そこから観えて来る事件の真相
小説と同じで意外な結末に驚くことになる

ここから原作既読のネタバレ有り

映画は上映時間の制限があるので、原作の全てを描けない

あの大学でのヒエラルキーの説明はあるものの、さらっと流されていた印象
パーティーシーンで身内だけでわかる会話をしているなと思う部分があるけど、原作ではもっと露骨に内部生は外部生を寄せ付けないという空気感は映画からは伝わり辛かった
上級の男からはハッキリ見下されているのは感じた

それに夏原があてがっていたという証言もあるけれど、映画のみせ方のせいか、自分から付いて行っちゃってるよね?と思った 紹介したのは夏原だけど、あとは自分で墓穴掘っているだけ
夏原と一緒に部屋まで行って、押し込められて夏原一人が逃げたとかならともかく、あれは連れの男と一緒に部屋入っているし
むしろ恨まれそうなのは男達の方なんだけどな
たまたま見掛けちゃったから、というのが不運なのか

ただ原作で読んだ時の、意外な犯人という驚きは映画も同様にあった

あの突発的に見えるようで計画的(なにか知っていたらこれ利用しよと回収していたり)でもあり、でもアリバイあったらどうするんだ、通話記録でばれたりしないのかなと考えてしまう
突発的なのは同じか

秘密って大好きとかあのあたりの会話ぞわぞわする

人の負の面を描いた作品

原作にもない部分だけれど、あの内部生の男達にはインタビューさえない
内部生たちからは相手にもしていない、記憶にすら残ってないからインタビューしたところで夏原ってそんなのいたねえくらいだったから犯人の予測すら出来ないから除外されたのか
色々深読みすると怖いね



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