何時何分

想うって事はこんなにもあなたで埋もれるってことなのね
新しく 新しく 知らぬ間に伸びた影
髪の毛の間の目を 呼び捨てにしたあなたの名を
見つめても見つめても届かない 好きだよ
何時何分何曜日 今日は少し泣いている
さようなら さようなら また今度 さようなら
今度ってつけたらさ 少し涙が落ち着くから
愛している 愛してる だからね 好きだよ
何時何分何曜日 空はとても晴れている

頭の中で、5年くらい前に聞いていた音楽が流れた

その時はこの歌の意味をこんなに深く考えるようになるなんて思ってもみなかった

朝起きた瞬間、ああ、まだ生きてる私。彼のいない世界に生きている。って鉛のようなものが体に乗っかってくる

外に出てみたらもう夏だなって思うような熱風のような温度に触れる

私は寒がりだし、9月生まれなのでなので夏が好きだ

だけど今日感じた夏のにおいには吐き気をもよおした

この先訪れる私の大好きな夏に、彼はいない

去年行った横浜の花火、水族館、テーマパーク、四国旅行

思い出したくない時に限って人間って鮮明にいちいち思い出してしまう

でも本当は

そういうキラキラした思い出じゃなくって

一緒にやっていたアプリゲームで新しいポケモンが近所の公園にでた!って雨上がりの夕方に部屋着のまま走って出かけて、何やってんだろうねって笑いあった時間とか

一度だけ彼が手料理をしてくれて、それがすんごい美味しくなくてふたりで大笑いしたとか

そういうくだらないどうしようもなくどうでもいい時間が

すごく愛おしくてかけがえのない時間だったと

細部まで思い出して、また泣いてしまう


時々この記憶力だけはいい頭を恨んでしまう

晴れてても夏が来ても、彼は戻ってこないのに

だったらずっと雨で寒いままだったらいいのにって

じんわり汗をかきながら思った


そういえば付き合っている時に、彼が住んでいた家を引っ越す時

この家で一番思い出に残ってることって何?って聞いた時に

少し考えた彼が、私がいたこと と答えた


その時はうれしかったけど、本当に思い出になっちゃうんだねって

今になって預言者かよって思ってしまう。

私もいまおんなじ気持ちです

存在全部が愛おしくて尊くて別にここがこうとかじゃなくて、

いてくれることが重大な出来事なんだよ


今日も元気かな、ちゃんと生きてるかな、ご飯食べてるかな

もう確認できないのに、永遠と願っている

何時何分じゃなくていつも、永遠に神頼みしている



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