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ねになきてひちにしかども春雨にぬれにし袖と問はばこたへむ

ねになきてひちにしかども春雨にぬれにし袖と問はばこたへむ

(ねになきて ひちにしかども はるさめに ぬれにしそでと とわばこたえん)

 声を上げて泣いた。
それで身も心もぐっしょり濡れてしまったのだけれど、
「春雨の中歩いたので濡れてしまったよ、袖まで濡れてしまって」
などと答えておくことにする。

ねになく(音に泣く)…声を上げて泣く

大江千里(おおえのちさと)

出典 古今和歌集

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