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自作シナリオチャットボットでブログ記事を台本にしてみた

かけAI(あい)実験室へようこそ。今回は、自作のシナリオ作成チャットボット「かけAIシナリオライター」を使ってブログ記事をシナリオにしてみたいと思います。「かけAIシナリオライター」は私がChatGPTのGPTS機能を使って作った掛け合い形式で入力することで誰でも簡単に台本が書けてしまうチャットボットです。(詳しくはこちらの記事を参照ください)

記事とシナリオの違い

もし、ブログ記事をそのまま映像にしてしまうと、どのようになってしまうでしょうか?同じ日本語なので、そのままナレーションとして読んでもおかしくないのでは?と思うかもしれません。しかし、実際にその読み上げ原稿をナレーションとして聞いてみると違和感に気づくことでしょう。

例えば、文章で読んでいる時は気づかなくてもシナリオとして読み上げると、長すぎてクドく感じることがあります。また、耳で聞いただけでは判別しづらい単語(例:回旋、昇降、奇異、下記など、耳なじみが無かったり、同音異義語が複数あるもの)がある場合、「一瞬、あれ?何のことを言ってるんだろう」と思ってしまい、その後の映像視聴に集中できなくなってしまいます。

また、読み原稿の文章には、人が心地よく聞き取れる流れや強弱があり、長い文章が続いた後は、次のセンテンスは短く言い切ってしまうなど、メリハリを付けることも必要です。

映像系の台本を長きにわたり書いているライターはこうした「黙読記事」と「読み原稿」の違いを理解し、文章が心地よく流れるよう心がけているのです。そのため「テキストライターが書かれた文章を映像用のシナリオに書き直してほしい」という依頼を受けることもよくあります。

「かけAIシナリオライター」を使えばテキスト記事を台本に変換可能

「かけAIシナリオライター」には私がこれまで自然に行ってきた、こうした「テキスト文」→「シナリオ」への変換作業を言語化し、プロンプトとして入力してあります。そのため、例えばブログ記事をそのまま映像にしたいと思った時に文章を入力するだけで、読み上げ原稿として適した形で出力可能です。

私が使ってみた感想としては、普通にChatGPTを使ってシナリオを作成すると「英語」→「日本語」に変換しているため、妙な言い回しで表現されることが多いのですが、「かけAIシナリオライター」を使うと、その点についてはいくぶんマシな回答が返ってくる気がします。

「かけAIシナリオライター」の使い方

では、使い方を説明していきましょう。最初に下記のような画面が表れますので、ブログ記事をシナリオ化する場合は、右上の「調整だけしてほしい」を選びます。


すると、次のように「調整する内容を教えていただけますか?」とていねいに聞き返してくるので、元の記事をコピペして入力します。

今回は私が書いたnote記事「映像はシナリオが90% 映像制作成功の秘訣」の一部をシナリオに変更してもらいます。

企業系映像シナリオライターの須未亘です。
前回のブログでシナリオを〈建物を建設する際の設計図〉に例えて説明しました。どんなに美しい外観を持つ建物も、しっかりとした基礎がなければ時間の経過と共に傾いたり、崩れたりする恐れがあります。同様に、映像制作におけるシナリオは作品の核であり、方向性を示す道標となります。

シナリオのことを「台本」や「脚本」とも言いますが、この「台」や支える「脚」がしっかりしていないと途中で作品自体が崩壊してしまうため、こう呼ぶようになったのでしょう。逆に言うと「台本」がしっかりと最初に出来上がっていれば、さまざまな要素を上に載せることができ、どんどんとアイデアや創作性が膨らんでいきます。なおかつ倒れたり、崩れ落ちたりすることもありません。また、たくさんの物を載せてしまっても後でいくらでも整理することですっきりとした「台」に戻すこともできます。

近年は撮影技術や編集技術が進んだことにより、自社で映像を内製化される企業も少なくありません。しかし、「とりあえず作業内容を撮って、何となく編集で映像繋げば出来上がるだろう」と思うのは間違いです。

時に大量の撮影素材だけを渡されて「うまくまとめてください」という依頼があります。しかし、最初に想定シナリオを作成しておけば撮影の労力や視聴時間を掛けずに済むであろう、と思われることも多々あります。どんなに短いVTRであろうとシナリオを文字ベースで一度作成し、それから編集に取り掛かると編集作業の手間はぐんと減りますし、撮影時の無駄なコストも削減できるようになるでしょう。

断っておきますが、私はシナリオが専業なため、ブログ記事も他のテキストライターに比べ、簡潔で、分かりやすい方だと思っています。それでも「テキストとして読む記事」だと、どうしても長文かつ冗長になりがちです。

「かけAIシナリオライター」にこの文章を入力し、シナリオ化してもらった結果がコチラです。パッと見ただけでも文章がかなりすっきりしていることが分かるでしょう。元の文章がだいたい、4分の3程度まで内容をほとんど変えることなく、刈り込んであります。


例えば「建物を建設をする際の設計図」という単語は「建築の設計図」に言い換えられています。たしかに、このように一言で言い表せる名詞はなるべく短く表現するのがシナリオのセオリーです。他にも、

台本がしっかりと最初に出来上がっていれば、さまざまな要素を上に乗せることができ、どんどんアイデアや創造性が膨らんでいきます。なおかつ倒れたり崩れ落ちたりすることもありません。また、たくさんの物を載せてしまっても後でいくらでも整理することですっきりとした「台」に戻すこともできます。

元の文章

という文章は、

初期段階でしっかりした台本が作成されれば、さまざまな要素を盛り込み、アイデアや創造性を拡張することが可能です。そして、もし多くの要素を盛り込んでも後から整理し、すっきりとした「台」へと戻すことができます。

かけAIの文章

と、変換されています。たしかに読みやすく、短いセンテンスに変えられています。ただし、このあたりは映像化する際の意図にも関わるのですが、短ければいいというわけではなく、映像化が可能であり、そこにインパクトがあれば多少、文章は長くても支障が無いというのが、私のシナリオ論です。どちらが正解かは、聞き手の好みにもよりますが、私がシナリオを作成するならば元文を優先するでしょう。


「かけAIシナリオライター」調整機能の現状


よって、ブログ記事をシナリオ化する際に冗長表現を可能な限り削除し、分かりやすく要約する際に「かけAIシナリオライター」の「調整機能」は役立つと思います。

一方で、映像化した際のインパクトや抑揚までを考えたシナリオを作成するにはまだ物足りない面もあります。こうした不都合な点も今後、言語化して、プロンプトとして入力できれば、まだまだ便利なツールとして成長できると思います。

皆さまもぜひ、「かけAIシナリオライター」試してみてその感想やダメ出しなどをお聞かせいただければ幸いです。もちろん「使ってみたけれど、いいシナリオが出力されない」といった場合、リライト依頼にもお応えいたします。Xのダイレクトメールやランサーズからお気軽にご連絡ください。

「かけAIシナリオライター」
https://chat.openai.com/g/g-JJFisp7tT-kakeaisinarioraita

お問い合わせ
https://lit.link/sumiwataru


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