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アルゼンチンの国旗と国歌と愛国心と。

アルゼンチンの国旗🇦🇷は大変可愛い。空と海を表す水色と平和を表す白の配色に、太陽神の象徴を中心に描いたデザイン。これがまた南米の濃い青の空になびくととてもいい絵になるし、お土産グッズデザインに多く採用されているのは、可愛いく仕上がるから当然と思う。

ブエノスアイレスに居ると、国旗はとても身近なものである。旗日やサッカーの国際試合の日には、たくさんの家のベランダに国旗がかかるし、ミロンガにタンゴを踊りにくるはおじさん達は、国旗のピンバッジを付けてきたりする。

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国歌もまた身近だ。旗日の前日にミロンガに行くと、24時を過ぎたところで国歌がかかる。全員起立して声を揃えて国歌を歌うその光景は、最初、わたしにはとても異質だった。

だってみんな遊びとしてタンゴを踊りにきているのだ。遊びの空間と、起立して国歌、という組み合わせがどうにもそぐわなかった。日本で育ったわたしには、国歌は式典とかスポーツの表彰式とかでのみ出会う厳かなもの、という固定観念があったせいだと思う。YouTubeで検索するとアルゼンチン国歌は、沢山バージョンがあって、中にはロックや、タンゴにアレンジしたものもあるし、いろんな人が演奏している。なんだかとっても身近な存在。

そのアルゼンチン国歌。やたらと長い。しかも曲調が2回くらいガラリと変わるので、どこが終わりか分かりづらい。初めてミロンガで聞いたときに、終わったと思って座ろうとしたら、実はまだ曲の途中で、恥ずかしい思いをした記憶がある。毎回、黙って立っているだけなのも手持ち無沙汰なので、スペイン語の先生に、訳も含めて教えてもらう事にした。

その時の先生のはなしが印象的だった。教える為に改めて歌詞を読み込んで、思わず泣けてきたのだと言う。スペインからの独立革命後、志高くこの国を良くして行こうという思想で作られたであろう歌詞に感動すると共に、いまのこの国の現状を省みたときに、情けなさがこみ上げてきて、一緒に涙もこみ上げてきたのだとか。

感動するのも、ガッカリするのも愛情あればこそ。思い入れが強いんだなぁと、そして、なんと純粋なんだろうかと、こちらも感動してしまう。

アルゼンチン人は、常に国に対して激しく批判を繰り返し、政治や経済に真剣に向き合い、積極的にデモなどを通じて主張をする。そうしなければ、何も動かないという仕組みもあるのだろうが、その激しさは、愛情表現があっさり目の日本人には、ちょっと驚きだ。

嫌い嫌いは好きのうちと言うけれど、みんなが「我が国アルゼンチンが大好きなんだ〜!!」と山の上から叫んでいるかのようにも感じてしまう。文句を言っても、怒っていても、なぜか根底に明るさを感じるのは、ラテンな南米特有のものかもしれない。

日本人は国に対する愛も「言わなくても分かるよね。もちろん好きに決まってる。」的な感じかな。わたしはそんな感じ。


国歌をアルゼンチンの雄大な大地の映像とともにどうぞ。


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