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所変われば、価値変わる〜大きなお尻コンプレックスの話

わたくしお尻が大きくて、足が太い。この体型がずっと嫌いだった。

中学生の時には「でかいケツの女が歩いていると思ったら娘だった。ワッハッハ」と父に言われ、短大時代には文系男子に「あなたは印象派を思わせるよね」と言われた。
傷つきやすい年頃の乙女には、笑い事でも詩的でもあるはずがない。

大人になっても元夫には「なんとかしてくれ」と言われ続けていたし、仕事用に買っていたパンツスーツは、太腿にサイズを合わせるとウエストがぶかぶかで、いつもお直しが必要だった。
ジムに通って運動し、骨盤矯正エクササイズにも参加したけれど、やっぱり太いままで、そんな下半身が大嫌いだった。

自分の容姿が嫌いって、自分を嫌いになってしまう要素のひとつになりがち。そんなの良くない。

ところが!

ところがだ。なんと、ブエノスアイレスに来てみたら、わたしの大きなお尻は「ヒュー」と言われる。

南米人は、お尻が好きなのだ。

ブエノスアイレス1年目に試しに受けたタンゴレッスンのあと、アルゼンチン人先生が、ところで、と質問してきたことがあった。
「タンゴの他に何かスポーツしている?」と。
「やってないけど、なんで?」と聞いたら、「君のお尻はいい感じだよ」と返されて驚いた。
これ、セクハラと言えそうなケースかもしれないけれど、何しろお尻はわたしにとっては、コンプレックス。
それを褒められたものだから、えーっ???
ほんとにぃ???なわけで、ニヤニヤが止まらなかったという思い出がある。

よくよく見ると、ブエノスアイレスの女性たちは、お尻のラインがくっきり出るパンツやスパッツ姿で堂々と歩いている。
タンゴドレスも最近は、お尻ラインが強調されるようなタイトスカートが人気。

そんなわけで、ブエノスアイレスでは、わたしもお尻を隠す事なく歩けるので、大変幸せだ。

市場を変えると価値は変わるのだ。

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