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久遠チョコレートと障害者雇用に思うこと

カンブリア宮殿「久遠チョコレートの奇跡 20年の格闘の物語」を観ました。社長の夏目さんの言葉が刺さりすぎて胸が熱くなりました。久遠チョコレートでは、障害者を多く雇用しています。

  • 採用基準は出会った順、そして働きたいという意思。どうすればその人に仕事が生み出せるかを考え、人材と向き合ってきた。

  • チョコレートはどこかの工程で失敗しても「いいよ、もう一回溶かすか!」ができるから、いろんな人を包摂していけるようになった。

  • 「障害者の人権を」とかじゃなくて、なぜ「障害」という属性がついた途端に選択肢がぐっと狭められて、しかも月給1万円という理解できない状態を”仕方ない”としてしまうのか。それは社会の在り方としてナンセンス。

  • (障害者と家族は)いろいろな意味で社会の中で肩身狭く、子どもたちと一緒にやりたい”親子の時間”を我慢して暮らして来られたんだなと。

  • 障害だけじゃなくて、いろいろな意味で社会が追い込んでしまったがゆえに、生きていくことがつらい人もたくさんいる。

長男の将来を考えると就労や生活は本当に心配の種で、久遠チョコレートのような働く場がもっともっと増えてほしいと、親としては切に願うわけです。

ちょうどこの番組を観る前に、横浜で障害者グループホームが地域の反対によって開設断念したというニュースを目にしたので余計に心に響いたのかもしれません。


このニュースに対しては双方の気持ちが分かるので色んな意見があって良いと思うのですが....。とある掲示板のコメントの中に、「障害者とその家族は限界集落みたいなところに集まって暮らして、その中だけでパン作ったりすればいい」というのがあって。賛同者も結構多かったんです。

「え、障害者や家族は隔離されて人目を避けて生きなきゃいけないの」って、ちょっと驚いてしまって。奇声や物音が恐ろしい、恐怖を感じる体験があった、実際に危害を加えられた、過去の障害者による殺人事件、それらの解決策が「隔離」。この発想って、冷静に考えるとすごく怖くないですか.....?差別がどうのとか、きれいごと言うつもりは全くないんですけど、こういう人が社会に一定数いるんだと思ったら、虚しくなってしまいました。

そんなタイミングで、夏目社長の温かい語り口にぐっと心を掴まれ、虚しい気持ちが溶けていったわけです。いろいろな考えの人がいるし、置かれた時々の状況によって様々なことをいう人もいる。ただ、大事なのは「自分がどう思うか」なんだって。自分の思いに誠実に、やれることを精一杯やるだけ。はあ、見逃さなくて良かった。