バリ島の話 #5 子供たち
小さなときめきの思い出
危うく恋をするところだった
バリ島で出会った子供たちはみんな人懐っこく
あどけない笑顔で笑う子が多かった
ただの観光客の私たちに向かって一緒に写真撮ろうよって誘ってくれたり、夕日を待っている間に沢山話しかけてくれたり
いつも旅を彩ってくれた
ウブドの市場を散策中
とても綺麗なコースターを売っているお店があった
そこに小学生くらいの男の子が一人
そしてご両親
家族でお店を営んでいるようだった
バリ島のみんなは日本語が上手だ
「どれがいいか一緒に選んであげるよ」
男の子が私たちに話しかけてくれた
コースターを一緒に選ぶ
これもかわいいよ、これが似合うね
一生懸命一緒に選んでくれて2枚買うことにした
割れないように丁寧に包んでくれる
笑顔でありがとうと言って手渡してくれた
私もありがとうとお礼を言って去ろうとした瞬間
男の子は私の手をさっと握って手の甲にキスをした
もう心臓が飛び出るかと思った
ときめきが止まらなかった
男の子はいたずらに笑ってまたねと言った
今でもその感触が手の甲に残る
大事にそのコースターは飾ってある
それを見る度に思い出す小さなときめきの思い出
まだ元気にしてるかな
元気だといいな
また会えますようにと小さときめきを心に願う
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