伊丹十三監督の『タンポポ』を観て
ネトフリの『地面師』、『サンクチュアリ』、最近ではダンプ松本のドラマに挑戦したけど、どれも全話を観ること出来なかった。
料理の最中に見るユーチューブでたまたま伊丹十三の『タンポポ』が出てきてなので観たら、これが良かった。日本人らしさが思いっきり出てるところが。この映画は3、4回観ているのに、このような感想を持ったのははじめて。月日を経て見えてくることがある。
映画の構成は、宮本信子演じる女性が美味しいラーメン作りに奮闘するメインの話と、それとは全然関係ない多くのサブストーリーから成り立っています。
食への情熱や勤勉さ、よっ、これぞ日本人!という日本人の気質がメインストーリーの根底にある。サブのお話しには、日本人独特の?精神的な未熟さ、変質さが散りばめられている。
例えば、若い女の子を性の対象であることを間接的に表したり(どうみても15歳ぐらいにしか見えないと思って調べたら演じてた当時は20歳だったけど)。若き役所広司演じる白スーツの男性と、その男にすっかり惚れてしまって、粘りつくように付きまとう女。恋の行先は悲劇しかなさそうで、あの時代の歪んだ憧れのカップル像か?時には、家事育児で疲れ果てている病気の嫁に死ぬ間際まで食事を作らせる大馬鹿な夫。さらに!その大馬鹿ぶりを引きづぐ子供達。。。母親の役割を一面的にしか見れてない男性たちを皮肉りたかったのだろうか。
日本らしさをコミカルに演出しているから、エンターテイメント性があり十二分に楽しませてもらった。この映画が作られた時代の日本人像が今となってありありと見ることができ、時代が確実に流れていることを実感できた映画でした。
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