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合理的な意思決定はどう行えばよいか


人は常に意思決定を繰り返している。
ランチは何を食べるか?、あのプロジェクトの方向どうするか?、提案書のデザインは?、結婚するか?・・・
というように個人でも企業でも意思決定は行われている。
どうすれば良い意思決定ができるのかのメモ。


人間はそもそも合理的ではない

「行動経済学」という学問では、人間は常に合理的ではないということが説明されている。
例えば、ダニエルカーネマンの著書「ファスト&スロー」で有名な、「人間は基本的には直観で動いており、集中しなければ論理的な思考になりにくい」という理論がある。
また、株式市場における株価の動きもデータ分析だけでは理解できず、人々の心理状態が影響しているというのも行動経済学の代表例である。

合理的な意思決定のための判断基準

とはいえ、合理的な意思決定をしたいと思っても、なかなか答えが出せないときもある。
そんな時に必要なのが、判断基準をあらかじめ決めておくことだ。
例えば、洋服を買いたいときに「5万円を超える洋服は買わない」と判断基準を設定することで、はじめから5万円を超える洋服の情報を調べたりする必要はなくなるので、より早く意思決定ができる。
外注先の選定をするにも「セキュリティ」や「オフィスの立地」などの判断基準があらかじめ決まっていれば、「企業規模」や「実績」に関して調べる必要はなくなるので、組織での意思決定もスムーズになる。
つまり、どういう条件であれば意思決定ができるのかという判断基準をはじめに考えることが大切で、情報収集や計算といった作業はその後に行う必要がある。
反対に意思決定の前に判断基準が定まっていなければ「意思決定」ではなく「調べること」が目的となってしまい、何も決まらず情報だけが集まっているという状態になってしまうだろう。

判断基準の優先順位

B2Bなど複数の人間が関わったり、重要な意思決定になる場合は、判断基準が多くなることが想像できるので、判断基準を整理することでよりスムーズに意思決定ができるようにする。
ここでは、マーケティングでもよく使われる価値の判断基準として「機能的価値」と「情緒的価値」、そして「必須価値」の3つを使って考える。
合理的な意思決定を行うためには、まず「必須価値」を知る必要がある。これを知らなければ上述したように、調べることが最初の目的となってしまい、意思決定の役に立たない。
次に製品やサービスの性能のことを指す「機能的価値」だ。
合理的な意思決定とは、抱えている不安や課題が解決されるということを目的としており、意思決定にかかるコストの高いB2B商材や人生の重要な決断などのことをこの記事では想定しているため、機能的価値を優先する。
(B2Cの商品やコストの少ない選択の場合などは「ブランド好きだからとりあえず買う」というように情緒的な価値が機能的価値よりも優先される場合がある。)
機能的価値で優劣が付けられない場合は「情緒的価値」を最終的な判断基準とする。
情緒的価値は主にブランディングから醸成され、意思決定者の感覚に左右される。
つまり、合理的判断といえるのは機能的価値で判断するまでであり、情緒的価値での判断は実際のその選択をするかどうかのトリガーとなる場合が多い。

まとめ 情緒的価値の時代の合理的意思決定

合理的な意思決定をするためには、まず意思決定をするための判断基準を考える。
そして、判断基準に優先順位をつけて候補を絞っていけば必然的に意思決定ができるようになる。
しかし、現代社会ではモノやサービスにあふれ、機能的価値の差はどんどん無くなってきており、SDGsやESG投資といった社会的な意義や企業理念などを伝えるブランディングで情緒的価値の差別化を図る活動がますます重要だとされている。
冷静に考えてみると、実際に選択する側が得られるのは機能的価値までであるが、情緒的価値によって多くの意思決定がされているというのが現実である。

合理的な意思決定をするために必要な行動は以下

  1. 意思決定に必要な判断基準を考える

  2. 判断基準を満たした機能的価値で比較する

  3. 比較対象が多くて決められない場合は必要価値や優先するべき機能的価値の項目を増やす


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