【レポート】心理学から見る、社内の「モチベーション」が上がるテキストコミュニケーション術
去る12月5日、以下のチャットライブを開催しました。
今回ゲストに迎えたのは、アイルランドの語学学校で学びながら、心理学ライターとして活躍する加藤達也さん。
「心理学×テキストコミュニケーション」という切り口で、人間関係におけるテキストコミュニケーションのいろはについて聞かせてもらいました。
心理状態は仕事のパフォーマンスに直結する
すみだたかし
本題に入る前に少し聞かせてください。
心理学関連の論文をたくさん読んでいると聞きましたが、月に何本くらい読んでいますか?
加藤
最近は一ヶ月に50本くらいですね。日本にいたときは150~200本くらいは読んでいましたね。
でもアウトプットもしなきゃと思って最近は記事も書いているので、少しスピードは落ちました。あと、ほとんど海外の論文なので、やっぱりまだ時間がかかりますね。
すみだたかし
それって、どこから探してくるんですか?データベースなどがあるんですか?
加藤
ほとんどGoogle Scholarですね。
すみだたかし
Google Scholar!僕も学生のときによく使っていました。
そんな、論文をたくさん読んでる加藤さんですが、一日の過ごし方を簡単に教えてください。
加藤
アイルランドに来て6週間ロックダウンだったので、朝起きて学校の授業を13時まで受けて、そのあとお昼食べたり、買い物に行ったり、記事を書いたり、論文を読んだりして。
それからブレイクタイムを挟んで、記事書いたり、軽く運動したりしてから、夜ごはんを作って~ってやっていたら、一日があっという間に終わってますね…。
すみだたかし
忙しいですね…。論文を読む(他記事を書く等)時間帯は決めていますか?
西村創一朗さんは、朝を作業時間(インプット時間)にされているそうですよ。
加藤
大体決まってますね。授業が終わってからなので、13時半~17時半くらいかな。
8時からやってた時もありましたが、運動したり準備してたら授業の時間になってます。笑
すみだたかし
朝の活用法は悩みどころですね…。
そもそも、心理状況がいいときと良くないときで、仕事のパフォーマンスって変わるんですか?
加藤
めっちゃ関わりますね。
すみだたかし
例えば?
加藤
気分がいい時は生産性はやっぱり高いです。
例えば音楽を聴いてテンション上げたりすると気分良くなりますよね。
でも音楽を聴きながら作業していると、脳のリソースがそっちに持っていかれていしまうので、作業しながらはアウトです。
タスク前に気分をあげるために音楽を聴くのはOKです。
すみだたかし
仕事中の音楽、それ僕やりがちです。
テンションが上がってるときって、脳の波動か何かが変わってたりするのですか?
加藤
脳波ですかね。
アルファ波とか色々ありますが、あんまり気にしなくていいと思います笑
日常生活で脳波を気にしてもしょうがないですし。
すみだたかし
なるほど、難しいことを考えないようにします。
テキストコミュニケーションの秘訣は「あざとさ」!?
すみだたかし
関係性で一番難しいものの一つが、上司と部下だと思います。上司として、「どういう言葉をかければ(メッセージを送れば)やる気になるのか?」について、何か見解はありますか?また、その逆(やる気を削いでしまう)のパターンもあれば伺いたいです。
加藤
テキストでどういう言葉をかければ~ってところ、結構迷いますよね。
「MBCT」という、モチベーションと行動変容に関するテクニックに関する2020年のアメリカ心理学会の論文にいくつかテクニックをまとめてくれているので、そちらから抜粋して紹介します。
ポイントは「関わり方」です。
例えば、角田さんが良くやっているものだと「褒める」とか「相手への関心を示す」というものがあります。
田中みな実さんとかも良く言ってますよね、「素敵です!」とか。
このように、あざとい系のテクニックはテキストコミュニケーションでも使えるんです。
相手の話を聴くことって、相手にお金をあげるのと同じくらいの快感をもたらすってこともわかってます。
すみだたかし
今、この本を読んでいるのですが、「相手への関心を示す」ってのは書かれていました。
関心を示してくれた、ってのがわかったら、相手は気分が良くなるってことなんですかね。
加藤
でも褒め方も注意する必要があります。
相手の褒めるような褒め方をしてしまうと、次回以降のタスクで、相手にできない人だと思われたくない心理が働いてしまい、チャレンジ的な行動ができなくなってしまいます。
すみだたかし
ここも深堀りしたいのですが、時間がないのでなくなく次に行きます…
わからないと不安だから、わかるように伝える
すみだたかし
チームで働く上で、士気ってかなり重要じゃないですか?心理学の観点から見た、「やっちゃいけないテキストコミュニケーション」ってあったりしますか?
加藤
一気に5つあげますね。
1.求められていないアドバイス
2.過剰な絵文字、顔文字の使用
3.ネットスラングの使用
4.雑な言葉遣い
5.エクスクラメーションマーク(!)の多用
この5つですね。
すみだたかし
なるほど!興味深い。
これらに共通しているポイントってありますか?
部分的にでも。
加藤
2と5は共通事項です。
これらをしてしまうと、感情情報が過剰になるからです。
すみだたかし
いつも多用している人が、あるとき少なくなってしまったら、それだけで他人に心配をかけてしまう。なんてこともあるんですか?
加藤
本人の意図によりますねー、意識して減らすようになる場合もあるので。
ただ、それに気づくかどうかってところですかね。仲のいい人同士なら気づきやすいという部分はあると思います。
そういう時は気にかけてあげると。
すみだたかし
ちなみに僕は、意図的に多くしたり少なくしたりしています。温度感をリアルに伝えるために。
たとえば、「ありがとう!!」「ごめんね。」という感じ。
加藤
「温度感を伝えるために」っていう使い方、いいと思いますね。
わかるってことが大事なので。
今日のまとめを書くと、「人間ってわからないと不安になるのですよね、だからこどテキストコミュニケーションは、特にわかること、伝わることを大切に」という感じです。
すみだたかし
わからない、をなるだけなくすのが大切なんですね。ありがとうございます。
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内容が面白すぎて、30分では全然物足りなかった配信となりました。
そんな大盛り上がりな配信は、以下からアーカイブ視聴ができます。
今回の配信で聞き足りなかったことの補足や、今後のイベントの案内等は、テキストコミュニケーション研究会というFacebookページでアップしていきます。
テキストコミュニケーションの悩みについて質問したり、普段疑問に感じていることを投稿できたりしますので、ぜひこちらにもアクセスいただけると嬉しいです。
次回は、12/10(木)7:30~、睡眠研究家のみんたつさんをゲストに招き、「仕事の質」と「睡眠」の関係性について根掘り葉掘り聞いてみようと思います。
お楽しみに!
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