見出し画像

Look at Me とLook at Thisに見る作る仕事とは?

私が広告の仕事をしていて、広告クリエーターの仕事とインフルエンサーとしての仕事はベクトルが違うという話を聞いた。

 

「Look at Me」と「Look at This」


インフルエンサーは個人を見て聞いてと発信する。一方で広告はサービスや化粧品などの商材を紹介する仕事だ。

 私自身は幼い頃から作ることに携わっていた。藝大に進学し、課題や展示などで常に作品を作って批評されるというプロセスを何度も繰り返していた。けれど、社会人としてデザイナーとして働くことを始めた後に、自分という存在が消えたように感じる瞬間があった。お金をもらって仕事をしている以上、クライアントやマネージャーなど常に誰かの考えが重視される。大きな会社で働いているとあまりに会社の名前が大きく、自分自身の考え方や存在が消えていくような気がする。


 同じ作ることに携わっていても、知名度の仕事をしてもこれが本当に私のやりたいことなのか、常に疑問を抱くようになってしまった。

 藝大時代は、自分の作品を作り、講評を受けて認められないと苦しい気持ちになることも多かった。自分自身を否定されたような気持ちに陥った。

自分の技術の足りなさに打ちのめされることも多かった。けれど、今考えると自分の作品で評価されるという時間は、自分の作品が作れた時間は幸福だったように感じる。

 会社で自分が携わった仕事の売上はどんどん上がっていく。それに伴い評価も上がっていくのかもしれない。けれど、そこに対してあまり達成感を感じなかった。それよりもこうして自分が書いているものを磨き上げていく方がずっとやりがいを感じた。

 私はこのまま会社で自分の心を殺して、やりがいもなく、作りたくもないものを作っていくんだろうか?疑問に感じながらも生活のために働いていた。

 会社のために作るものはどれだけ規模が大きかったとしても、自分の作品ではない。自分のためのものではない。もっと自分の感覚で、思ったことでモノを作りたい。

そんな欲求がふつふつと溜まっていた。


 会社で関わる仕事は予算規模も大きく、自分個人では到底かけれられないような規模でものを作ることができる。一方でこうして、自分の作品を作って発信した時、届く人は少なかったとしても手触りはある。個人での発信をしていても、経済的にも精神的にも難しい瞬間もあるし、どちらにも良さがありデメリットもある。

作るという仕事の意義について考えた瞬間だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?