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それぞれが生きたいように生きて死んでいった。ただそれだけのことがとても愛おしい。(2024.7.29〜8.4)

7月29日(月)
昨日の『毒親育ち』シリーズ読書会の余韻が残っている。

決して明るいテーマではない。「毒親」というテーマに対し、参加者の皆さんが何かしら思うところがあり、語り合った。議論ではなく、お互いの気持ちや体験を共有し合う。不思議と温かい空間になった。その温かい余韻がまだ残っている。
朝食を摂り、洗い物をしようとしたらキッチンの排水口が詰まっていた。少し掃除をサボっていたら、暑さのせいで何かが醸成されていたようだ。朝から排水口掃除。
午後は姉宅へ遊びに行く。甥っ子(6)が私とゲームで遊びたいのだと言う。正確に言うと、「ゲームで叔母をボコボコにしたい」だ。私はゲームが弱い。ボコボコにされて帰ってくる。
夜、何か始めてみようか、という気持ちになる。習い事を始めてもいい。箏にまた通い始めようか。通信で何か学ぶのも良い。そんなことを考えながら眠ろうとしたら、涙が溢れてきた。本当は自由に何でもできる筈なのに、いつから不自由になってしまったのか。


7月30日(火)
就活で先週見学に行った会社から、「火曜くらいに連絡をします」と言われていたので、いつ電話がかかってくるかとドキドキする。ドキドキしすぎて、読書ばかりしていた。本を読んでいる間は忘れられる。電話連絡ごときでこの始末。社会人に向いていない。介護士しかしてこなかったので、ビジネスマナーとか就活とか、苦手だ。スーツを着ると社会人のコスプレをしている気分になる。コスプレじゃなく社会人だが。結局電話は来ず、拍子抜けする。
18:30から、劇団四季の『ジーザス・クライスト=スーパースター』を観劇する。

キリスト最後の7日間を描いたミュージカル

観劇は4年ぶり、この作品は2013年に観てから11年ぶりだった。『オペラ座の怪人』などで有名なアンドリュー・ロイド=ウェバーの手掛けた作品。作曲がとても素晴らしく、大好きなミュージカル。
ミュージカルを観たことがないというパートナーも一緒に観劇。かなり渋い作品なので、開演してから「初心者に見せる作品ではなかったか」と心配する。心配に反し、本人は「面白かった!」と喜んでくれて安心した。
イエス・キリストとユダとの関係性、熱狂し手のひらを返す群衆、死を受け入れるキリスト。何度上演されても、語り尽くされることのないテーマなのだろうと思う。終演後の熱気は凄く、鳴り止まない拍手と、6回に及ぶカーテンコール。6回ってなかなか見かけたことがない。
久々に触れる劇場の空気は、とても良かった。9月にも観劇の予定があるので、楽しみだ。


7月31日(水)
起きてみたらあまりに体が怠い。一日家から出なかった。noteに記事を書いたり、読書をしたり、溜まった日記を書いたりしていた。
夕方にすごい土砂降り。
夜、パートナーと話していてフェミニズムの話になる。その流れでイ・ミンギョンの『私たちにはことばが必要だ』を引っ張り出し、再読する。

『私たちにはことばが必要だ』

最初に読んだのは5年くらい前だ。当時職場でのセクハラに悩んでいて、自分を勇気づけるために読んでいた。今は特に何にも悩んでいないと思っていたのだが、読んでいると、突き刺さる。空気に溶け込んでいて存在している女性差別が。差別に怯えて生活している自分が。脅かされないように自分を抑え黙っていることが。そんなことをしているうちに、自分を嫌いになっていくことが。力を奪われていくことが。これは、時々読み返さないといけない本だ、と思った。空気に溶け込んだ侵略から心を守るために。


8/1(木)
今日も一日家から出なかった。体調が良くない。お昼ごはんに自分で作ったきのこ蕎麦が破滅的に美味しくなかった。食材を無駄にする才能がある。しょぼしょぼ悲しくなりながら食べた。料理がうまくなりたい。

見た目はそれっぽくなるのだが

夜、コーヒーを淹れてパートナーと共に作業。私は溜まった家計簿つけ。パートナーは執筆。元々家計簿をつけるのは好きなのだが、収入を失ってから、ただ貯金が減っていくのを確認する作業になってしまったのでまったく楽しくない。赤字でない生活になりたい。


8/2(金)
今日こそは出掛けようと思いつつ、だらだらしていると、Xで『まだ、うまく眠れない』(著:石田月美)という本を見かける。「これ、読みたい!!」という原動力だけで、本屋に出掛けることに成功する。近くの有隣堂に在庫ありとの表示。無事に入手。

かわいいようで苦しそうな表紙が印象的

購入後スタバでくつろいでいると、就活で見学した会社から電話がかかってきて飛び上がる。面接の日程が決まる。
本は読み始めて、そのまま夜までに、一気に読んでしまった。うつ病と共に歩む人生ってどんなものだろう。私は診断からまだ年数が浅い。もちろん、同じ病気だからといって同じ人生はどこにもない。それでも、うつを患いながら婚活し結婚し2児を育てている人の人生に、私は興味があった。「幸せ」と、著者ははっきり言ったりしない。きっと子供を愛していて、夫も愛している。けれどそれと幸せはイコールではない。その人の人生の苦しみはその人のものとしてはっきりあって、それと戦いながら、生きている。すごいとか、勇気をもらうとか、そんなんじゃない。こんなふうに生きている人が、ここにいるのだ。こうして文章を書いているのだ。ただそれだけ。時々、人生にどん詰まったと思った時に、読み返したい本だと思った。



8/3(土)
朝から気分が悪く頓服薬を服用する。
市内で大きなお祭りがあるため、市内の中心部に近づかないようにお出かけ。カラオケに行き、ドライブをする。
「寿司食べて帰ろう」と、行った寿司屋が閉まっていた。近くの違う海鮮屋に行く。鮪がちょう美味しかった。満足。
夜は歌舞伎NEXT『阿弖流為』のBlu-rayを見る。大好きな作品。今の家のでっかいテレビで見るのは初めてだ。

2016年、映画館に4回観に行った

日本統一のもと消えゆく風習、文化、神。歴史の英雄と罪人。それぞれが生きたいように生きて死んでいった。ただそれだけのことがとても愛おしい。主演の市川染五郎(当時)、中村勘九郎、中村七之助、この3名が汗だくになりながら役を生きているさまにただただ圧倒される。演じている、というより“生きている”と言うのが相応しい迫力。殺陣、演出、舞台美術、音楽、どれも大好き。一緒に見たパートナーは「これはスクライドだね」と言った。そうですスクライドです。スクライド見たことないけど。


8/4(日)
赤子を死産して「あんたは何をやってもだめね」と母親に言われる夢を見る。
眠気が強く起きられないでいると、パートナーが出来立てのカルボナーラの皿を私の横に持ってきてパタパタ煽ってきた。起きがけでカルボナーラを食べる。
図書館へ出掛けて作業。パートナーは執筆を、私は履歴書を書いた。あとは日記書き。図書館に居たのに3箇所も蚊に刺されて痒い。
ラーメンを食べて帰る。

濃厚煮干しつけ麺

大河ドラマを見たあと、お風呂屋さんに出掛けた。最近の夜は暑くない。露天風呂の風が心地よかった。



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