リビングの広さを最優先したら、いろんなものがコンパクトに収まった家
リノベーションは、住まいを自分ごとにしてくれる最適な体験かも知れません。機能や意匠性、雰囲気を新しくするだけでなく、自分らしさやこだわりを宿した住まいをつくることで、空間自体が長く愛されるものになることを教えてくれた、東中野Yさんの事例です。
東中野Y邸
DATA
エリア | 東京都中野区(東中野周辺エリア)
家族構成 | 夫婦2人
プラン | 2DK→1LDK
面積 | 53.00㎡(壁芯)
構造 | RC造
所在階 | 8階建ての8階
主採光 | 南
建築竣工年 | 1972年11月
不動産購入 | 2015年11月(築43年時)
リノベ完成 | 2016年5月
権利 | 所有権
工事費用 | 730万円（設計料・税込）
CREDIT
プロデュース・設計 | スマサガ不動産
施工 | 有限会社 きこりたち
写真 | 平林克己
結婚することになり、必要に迫られてはじめた家探し。
お二人が物件探しを始めるきっかけは、結婚が決まったことでした。
結婚前にお二人が住んでいたのは、奥さんが一人暮らしてしていた家でした。もともとYさんが住んでいた家を退去することが決まり、奥さんの家で同居を開始したのですが、32㎡の住まいは、二人で住む広さとしては手狭だったのでした。
そこで新居探しをするべく行動を開始したところで、お二人がまず考えたのは賃貸物件。けれど賃貸で毎月払う家賃を考えると、購入という選択肢もあるかも知れないと思い、新築マンションのモデルルームに足を運んでみることに・・・。
モデルルーム挫折から辿り着いた境地とは
お二人の今回の家探しで転機があったとすれば、モデルルームに足を運んだこの時だったかもしれません。
実際にモデルルームに行ってみると、立地も良く、費用もそれなりにする新築マンションの現実を目の当たりにすることに。あまりにも、自分たちの年収に対して物件価格が高いことに衝撃が走ったというお二人は、その影響で、その日の晩の食卓は無言だったそうです・・・。
そこでお二人は考えました。
もし無理をして家を購入したところで、家のローンを返すためだけに生活をするスタイルは違うんじゃないだろうか。それだったら、無理をして新築マンションを購入するのではなく、別のライフスタイルを模索するべきだという考えになったといいます。
一生のうちで一番高額な買い物にも関わらず、制約の多い新築マンション購入をするということの現状を知ってから、本当に自分たちに合う住まい探しとは何なのかを考え始めるようになったのです。
当時、26歳だったYさんは、様々なことを調べていくうちに中古マンションの可能性やリノベーションの可能性に出会い、スマサガ不動産のサイトに辿り着きました。
タイミングと直感が重なる瞬間がきた！
お二人は実際にスマサガ不動産のセミナーに参加したことで、資産価値や自分たちのライフスタイルに落とし込んで、住まい探しを考える意味が理解出来るようになりました。
特に印象的だったのはスマサガ不動産のセミナーへ行った時のこと。「なぜ、そういう生き方がしたいのか」という自身のライフスタイルとの照らし合わせをするワークを通して、あんなに生活を見直すことがなかった、と語るほど新鮮な体験だったそうです。
ここで更に偶然が重なります。
お二人が以前からとある本を読んで気になっていた住まいがあったのですが、その住まいでオープンハウスが開催されることになりました。そこはスマサガ不動産がリノベーションを手掛けた住まいだったのです。
そのオープンハウスに参加したお二人は、本で見ていた、リノベーションされた住まいに実際に触れたことで、設計の工夫次第で広さの感じ方が変わることを体感しました。二人はその経験を通して、それまでの住まいの広さに関する様々な規制概念を覆されることになりました。
今回のYさんも、他の多くのクライアントと同様に、設計期間については非常に楽しい時間だったといいます。
完成した部屋で特徴的なのは、やはり目を引くリビングの広さ。非常にゆったりとのんびり過ごせる空間が広がっています。お二人がこだわったという床材も気に入って、全面の大きな窓から差し込む日の光が気持ちいいときには寝転がって過ごす日もあったりとか。
そして、このリビングを中心にした間取りが印象的なことにくわえ、機能性を考えてリビングの端に設置された洗面や、極力仕切らないように、導線も考えて設置しなかったドア。さらに、最小限のスペースにしたという寝室も、クローゼットと一体化したような雰囲気が楽しい場所に。
全体的に機能的な構成ながら、部屋のあちらこちらがY邸ならではの住まいのアクセントとして、趣深い雰囲気を醸し出しています。
自分たちが住む家をつくっていく過程で、ライフスタイルそのものを見つめていった結果、活かせるものは活かし、取り入れたいものや変えたい場所は新しくする、ということを徹底したYさんご夫婦。そのプロセスによって、非常に合理的で、機能性の高いリノベーション空間が出来ていました。
実際に住んでみて、どうですか？
この住まいに実際に住んで約3年ほど経過した今、お二人には意識の変化があったといいます。
もともとは、自分たちのものを増やしていくことが多かったYさんご夫婦ですが、ここ数年ほとんどものが増えていないといいます。
スマサガ のクライアントでも、こうおっしゃる方が多いのですが、
実際にリノベーションした家に住んでみて、足し算だけじゃなく引き算することでもたらされる、心地よい空間の感覚を味わうことで、自然とその住まいにライフスタイルがチューニングされていったのかもしれませんね。
さらに、自分たちの生活基準の判断軸がよりクリアになって、常にそれを意識して収納を考えたりものを買ったり。そんな行動につながっているそうです。実際に自分たちで様々な視点を検討しながら、人生を考えながら物件を購入し、そしてデザイナーと一緒になって設計した住まいだからこそ、自分たちが作って来た住まいに新築以上の愛着が湧くのかも知れません。
それこそがリノベーションの醍醐味であり、今回のY邸は、住まい空間そのものがそれを現してくれているようでした。
東中野Yリノベーション
▼東中野Y邸の事例画像はこちら