「映画 月 を観た」について
短い感想
観なきゃよかった
これまで生きてきた中で 自分自身はわりと常識ある社会性を持ち合わせてきたと思っている。
でもその“常識ある社会性”は本能ではなく、そうしなければ安心して暮らしていけないから そうしているだけかもしれない。なるべく面倒なことには関わりたくないというのもあるのだろう。面倒事や見たくないものから目を背けている自称常識人にとってこの映画はキツ過ぎる。
2016年に神奈川県相模原市の知的障害者施設で起きた元職員による殺傷事件。
衝撃的な事件だったが「植松という生まれ持ってのモンスターが頭のおかしい行動を起こした事件」として片付けてはいなかったか。
この映画はその事件を題材とした作品だが、障害者支援施設での綺麗事ではない現実に身を置いていた職員の一人である 普通の人であったはずの「さと君」の正義を語る言葉の一つ一つが心をえぐる。自分の中に無いはずであった差別意識や優生思想をえぐり出される。
こんな観ていて苦しい映画は初めてな気がする。
社会が効率や生産性や潔癖を追求し続ける限り、行き過ぎた思想を持つ人間が再び現れるのではないだろうか。気が重くなるわ。
気が重くなるし観なきゃよかったとも思ったけど、これは常識ある人達には絶対に観て欲しい映画です。ほんとに
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