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自己否定からの解放ー自分を知り荒波を乗り越えたワタシの半生記32.借金のために働く、がその行先は

さあどうしよう。
残ったのは借金だけ。
ようやく満を持して役者の道に進んだのに、何にもなれなかった。
※とはいっても、役者修行をしていたのはほんの3年ほど。今、あたりを見回せば十年選手などゴロゴロしているのが当たり前の世界とわかる。自己肯定感の低さと白黒はっきりさせたがる気質から、自分で勝手に見切りをつけ離脱しただけに過ぎない。

ワタシは悩む暇もなく、借金を返すため、おカネを稼ぐため仕事をした。その頃「派遣社員」という、正社員でもないバイトやパートでもない、新しい働き方が生まれており、正社員、というより直接雇用に抵抗のあるワタシにはうってつけの働き方だった。

自分が働く職場に、直に面接をしにいき、ジャッジしてもらうことに何となく恐怖心があった。派遣社員だったら派遣元の営業さんが仕事を紹介してくれるし、派遣先の面談でもしダメといわれても、それを派遣元から言ってもらうというワンクッションあるだけで、少し心の平静が保たれたのだ。

ワタシは派遣で「もう飽きたなー」と思えば、派遣元の担当に次の派遣先を紹介してもらい、ただただおカネを稼いだ。そして、入ったおカネは、借金の返済に充てるどころか使い込む始末。もう目的を完全に見失っていた。
(ただ、働いているというだけで親からの小言は減った。借金返せとはよく言われたけど)

養成所を辞めたひとたちは、みんな役者を続けていた。
舞台のお知らせ、やら
テレビ出演の告知、やら
次々送られてきて、はじめは「うわー頑張ってるんだなー」と思い観に行ったりもしていたが、舞台鑑賞もおカネがかかる。そして「〇〇の舞台、観に行かない?」とやたら誘いが入る。

なんで誘ってくるの⁉️
これじゃ、いくらあったって足らないよ💦
断れないんだから、声かけてこないでよ‼️

ワタシは誘いを断るのがヒジョーにニガテなのだった。
「相手をガッカリさせたくない」という思いがものすごく強いし、しかも一見ノリがいいところもあるから、つい、「あ、いいよ!」と言ってしまうのだ。ハッと思ったときはもう遅い。今さら「やっぱやめとく」なんて言えず、しぶしぶ参加したのは舞台鑑賞だけでなく、飲み会なども多数。

でも、あるとき。誘ってきた子(女子)が好きじゃなかったこともあり、とうとう我慢が限界に。どうしても行きたくなくてドタキャンした。
そしたら声がかからなくなった。

そうやって芝居仲間と疎遠になっていった。

きっと、あの頃は必死だったのだと思う。
一旦関係を築いたら、なるべく長続きさせないと、、、と思ってた。どこか気に入らないところがあっても、一度は一緒に同じ夢を目指していた仲間なんだから、と。

だけど実は、その養成所での絶対ルールがひとつあって。
それは
群れるな
ってことだった。

みんな役者を目指す、いわばライバル。
つまりお互い仲良くする必要はないし、そんな”なあなあ”の芝居でいいモノはつくれない。
というのが、ク〇だけど教えてる内容は納得させられる、指導者の弁で、ワタシはいまでも教わったことは間違いじゃなかったなと思っている。

だから、稽古場では仲良く話したりすることはNGだったし、見つかれば出ていけと言われるし、だからそこにいる頃はみんな、それを守っていた(はず)なんだけど。
そして大事なのは、それをワタシは結構「心地いい」と思っていたことなんだ。

そうなんだ。
ほんとは群れない方が心地いいはずなのに、当時のワタシは自分のことがあまりにもわかっていなかった。周囲のご機嫌取りに思考をつかいすぎていた。完全に「他人軸」で生きていた。


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