見出し画像

マレーシアと日本の医療制度の違い

マレーシアの病院事情や医療制度は、日本の医療制度といくつかの点で異なります。以下にその主な違いをまとめます。


1. 医療制度の構造

**マレーシア:**
- **二層制**:公的医療と私的医療の二層制です。公立病院は政府が運営しており、費用は非常に低いですが、待ち時間が長いことが一般的です。一方、私立病院は設備やサービスが充実しており、待ち時間が短いですが、費用が高くなります。
- **医療保険**:公的医療保険があり、低所得者層や特定の職業に対しては補助がありますが、私的保険への依存が強いです。

**日本:**
- **国民皆保険**:日本は全国民が公的医療保険に加入することが義務付けられており、保険料は所得に応じて決定されます。
- **公立・私立の統一性**:日本では公立と私立の病院が共存していますが、医療費の差は少なく、保険適用範囲内であれば費用負担が一定です。

病院の中にはATMや食べ物のケータリング、生活用品の販売などがあります



2. 病院の利用

**マレーシア:**
- **公立病院の待ち時間**:公立病院では長い待ち時間が一般的です。初診から専門医の診察までの待ち時間が数ヶ月に及ぶこともあります
- **私立病院の利用**:多くの中高所得者は私立病院を利用します。特に外国人居住者や企業駐在員は私立病院での治療を選ぶことが多いです

**日本:**
- **待ち時間**:待ち時間は病院や診療科によりますが、公立・私立に関わらず、比較的迅速に診察を受けられる傾向があります
- **紹介状制度**:日本では大病院を受診する場合、かかりつけ医からの紹介状が必要になることが一般的です。これにより、医療資源の適切な配分が図られています

渡航の際は最寄りの病院を調べておきましょう


3. 医療費

**マレーシア:**
- **費用のばらつき**:公立病院では非常に低コストで医療が受けられますが、私立病院では高額になることが多いです。私立病院の医療費は病院や治療内容によって大きく異なります
- **外国人向けの費用**:外国人には私立病院の利用が推奨されるため、医療費は非常に高額になることが一般的です

**日本:**
- **均一な医療費**:公的保険制度により、医療費は全国で統一されており、自己負担額は保険適用後の3割程度(高齢者や低所得者はさらに低額)です
- **高額療養費制度**:高額な医療費がかかった場合でも、一定の上限を超える分は国が負担する制度があります

案内所や受付で来院目的を伝えると親切に教えてくれます



4. 医療の質とアクセス

**マレーシア:**
- **医療の質**:私立病院の設備やサービスは非常に高水準である一方、公立病院は限られたリソースで運営されており、地域によって医療の質に差があります
- **医療アクセス**:都市部では医療アクセスが良好ですが、地方では医療施設が少なく、医療アクセスが制限されることがあります

**日本:**
- **医療の質**:全国的に高水準の医療が提供されており、地域間の差は少ないです
- **医療アクセス**:全国に病院や診療所が広く分布しており、都市部から地方まで均等に医療を受けることができます

病院内はどこもキレイで清潔感があります



5. 医師の教育と資格

**マレーシア:**
- **医師の教育**:マレーシア国内の医科大学や外国の医科大学から卒業した後、一定の研修期間を経て医師資格を取得します
- **専門医制度**:専門医になるためにはさらに数年の専門研修が必要です

**日本:**
- **医師の教育**:日本国内の医科大学を卒業した後、国家試験に合格し、初期研修(2年間)を経て医師資格を取得します。
- **専門医制度**:初期研修の後、さらに専門研修を受けて専門医資格を取得します

お薬は病院内の処方箋または町中にあるファーマシーで購入出来ます。日本にあってマレーシアにはない薬もあるので事前に調べて持っていきましょう



これらの違いにより、マレーシアと日本では医療の受け方や費用、サービスにおいて異なる体験が得られます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?