福祉をスケッチする
このnoteのタイトルに「福祉をスケッチする」と加えました。
これは、私が福祉の仕事をしてきて、自分の仕事を表現するときにずっと感覚的に持っているイメージです。
このスケッチする感覚があると、福祉はもっと豊かになるように思うのです。
福祉をスケッチする感覚とは?
例えば、私のスケッチする感覚はこんな感じです。
目の前の利用者さんの介護をするときには、その人について知りえた情報をもとに、その人の暮らしや過去や未来を想像しながら、どんな暮らしにしていくか脳内でスケッチします。
利用者さんの介護を多職種協働でチームで関わっていくときには、それぞれの職種がどんなふうに関わっていけばいいのかを脳内でスケッチします。
地域で支えあう町作りをしようとするときには、地域にどんな人がいて、どんな関係性があって、これからどんな関係や役割を作っていけば、どんな町ができるんだろうと脳内でスケッチします。
そして、それらのスケッチは、描いては消してを繰り返し、満足いく下描きを完成させていきます。
下描きができたら、関わるみんなで色をつけて新たな福祉を創造していきます。
下描きを作品にする
私のイメージは「絵」に例えていますが、「映画」や「音楽」に例えるとこんな感じです。
「音楽」であれば、私は曲を作ります。
演奏は、みんなでします。
編曲は私がします。
「映画」であれば、私は台本を書きます。
関わるみんなは演者です。
監督は私がします。
介護はアートだと言われることがありますが、私は介護職のころから同じように考えていました。
その頃の私は、「音楽」で言うところの奏者であり、「映画」で言うところの演者です。
「絵」で言えば、「色」です。
その時は、自分で下描きを楽しみながらも、誰かの下描きのなかで私は与えられた役割のなかでアドリブ(色付け)を楽しんでいたんだと思います。
「音楽」を、「映画」を、「絵」を、さらに良い作品にしてやろうとしていたのでしょう。
今は、それを俯瞰でみて、下描きに素敵な色が加わっていくことを「それ、いいじゃないか!」と称賛する立場です。
自分が下描きしたスケッチがどんどん盛り上がっていくのなら、それはとても喜ばしいことですから!
教科書では学べない大切なこと
アートの世界でも基本となる知識はたくさんあると思います。
スケッチの知識や曲を作るための知識、台本を書く知識。
そして、基本は抑えたうえで大切になってくるのが、「想像」の世界であり、「創造」の世界。
おそらくアーティストの人たちは、何かを見たり体験したりするなかで、ふとアイデアが舞い降りてくる感覚があるのだと思います。
私がこのnoteのなかで書いていることを振り返ってみると、一つの学びや経験から考え方を膨らませていっているような記事が多くあります。
こんな記事を書いたことがあります↓
人が考えないような視点をもって「想像」を広げると「創造」が広がります。
そうすると、スケッチ力は確実にあがります。
ちょっと具体的に表現しにくいですが、そういうことです。
私は、福祉の仕事の言葉にはしにくいものを表現したくてこのnoteを書いています。
アウトプットして、自分自身のスケッチ力を高めるためでもあります。
このnoteは教科書的なことはあまり意識しておらず、「教科書にはない」ことを表現できればと思って書いているわけですが、このたび3つのマガジンに仕分けをしました。
気になる記事があれば一読いただければと思います!
まとめ
「福祉をスケッチする」という感覚。
伝わりましたでしょうか?
スケッチした下描きには、当然自分で色付けすることもありますが、基本的には出来るだけ多くの人が関わって色付けする共同作品であるべきだと思っています。
そして、その作業を関わった人たちに楽しんでもらえること。
つまり、楽しんでもらえるスケッチにすること。
そんな仕事をこれからも続けていくことで「福祉をスケッチする」の実践をこの場で言語化できればと思っています。
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