古代食と健康~奈良・平安時代~
こんにちは!助川です。
前回は縄文~弥生時代の食と健康についてお話させて頂きました。
今回は「奈良・平安時代」の食と健康についてお伝えしたいと思います。
縄文~弥生時代では木の実や稲作・獣肉などを食べ、比較的バランスの良い食生活を送っていたとお話ししましたが
奈良・平安時代になるとこれが一変します!
【貴族の食生活は不健康そのものだった?!】
675年(飛鳥時代)、殺生を禁じる仏教の教えで出された「肉食禁止令」により、「牛・馬・犬・猿・鶏」の5つの指定された動物を食べることが禁じられた為、教えを厳守していた貴族は極端なたんぱく質不足・脂質不足となっていました。
しかしその一方で、玄米から胚芽と糠を取り除く技術が発達したため、裕福な貴族はこの時期から「白米」を食べることが出来るようになったのです。
それが不健康にさらなる拍車をかけることは知らずに・・・。
【貴族は早死にだった?!】
当時、貴族の中でだけ全身の倦怠感や食欲不振、足のむくみ・しびれなどを引き起こす「脚気」が蔓延しました。
これはビタミンB1不足によって引き起こされるのですが
このビタミンB1は糠や胚芽部に豊富に含まれるのですが、貴族は精製した白米しか食べていないためビタミンB1をとることが出来なかったのです。
その為、脚気により最悪死に至る方も多くいたと言われています。
また、一日中屋内で過ごしていたため運動不足になり、偏った食生活も相まって現在の糖尿病の症状を持つ者もいたそうです。
逆に庶民の方は糠や胚芽を主食とし、肉食禁止令から除外されている「鹿やうさぎ」などの獣肉を食べていたため
見た目や生活の華やかさはないものの健康的な食生活を送っていたと言われています。
これは現代でも通じるところがあるかもしれませんね。
安価で様々な食事(カップ麺やレトルト、お菓子など)をとることができるようになり一般庶民でも不健康な方も増えましたが
富裕層は栄養の偏った高級食コースを毎日堪能し、一般庶民は家庭食を毎日摂る。
これも古くから伝わる伝統なのかもしれません。
助川
※参考文書:日本成人病予防協会 ほすぴ
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