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読書ノート

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本屋の息子なので、読書は今でも道楽の王道。 iPad のヘビー・ユーザーなので、僕のスタイルは、すべての本を裁断して、電子書籍化。 いつでもどこでも、マイiPad をスワイプしな…
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2020年12月の記事一覧

人はなぜ、ゴキブリを嫌うのか 養老孟司

人はなぜ、ゴキブリを嫌うのか 養老孟司

養老翁の著書は相当数読んでいます。



iPad に仕込んだものは、全て読んでいると思っていたのですが、未読のものが一冊出てきました。

20年以上前の講演会の内容をまとめた一冊。

ですから、今まで読んできた養老エッセンスを、わかりやすく復習できました。

養老翁の「ぼやき」は、基本的にほぼ変わっていません。

つまり、日本という国も、この20年は何も変わっていないということでしょう。

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現代語古事記 神々の物語

現代語古事記 神々の物語

問題

1. 「古事記」編纂までの経緯について、200字以内で述べよ。



現存する日本最古の歴史書。天武天皇の命により、稗田阿礼が誦習した文献を、712年太安万侶が編纂し、時の元明天皇に献上した。

神代における天地創造から、推古天皇の時代に至るまでの史記を神話として表現し、歌謡なども取り入れエンターテイメント性も加味しながら、天皇家が大和国を統治する正当性を記録として残すことを主たる

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免疫力を高める食べ方 安保徹

免疫力を高める食べ方 安保徹

定年退職後は、そうそう無駄遣いもできないようになりましたので、本も余程読みたいものでない限り、購入するのも控えめにはしています。

これは、勤めていた会社の社長からいただいたもの。

自炊で電子書籍化して、しばらくiPadの中で、眠っていたものです。

読みやすい内容で、健康料理のレシピなどもたくさん載っており、一気に読み切ってしまいました。

さて、定年退職後、ここ最近の野菜中心の食生活は、本書

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裁判所の正体 法服を着た役人たち 瀬木比呂志・清水潔

梅雨明け後、畑仕事を早朝モードに切り替えて、気温が上がる日中は、たっぷりと昼休みを取るようにした結果、読書時間がけっこう確保できるようになりました。

こんなお堅い本を読み始めてしまうと、いつもならそこそこ時間はかかるのですが、今回は思ったよりも早く読み終えられました。



2020年は、思えばゴーン氏の海外脱出劇からスタート。

あの時に初めて、「人質司法」なる言葉を知りました。

え? 日

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歴代総理の通信簿 八幡和郎

歴代総理の通信簿 八幡和郎

安倍総理大臣が、突然の辞意表明をしたのが8月28日。

ちょうど、こんな本を読み始めたタイミングだったので、ビックリしました。

この本は、2006年に刊行されたものなので、初代内閣総理大臣・伊藤博文から、当時の第56代内閣総理大臣であった小泉純一郎までの評価をズラリと並べた通信簿的一冊。

ランクは、A〜Eまでの5段階評価。

総理在職期間の業績についてのみを評価の対象にしてまとめたものです。

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映画の構造分析 内田樹

映画の構造分析 内田樹



2003年に書かれた内田樹氏の著作です。

久しぶり内田氏の本を拝読いたしましたが、我がiPadに、自炊在庫されていた一冊。

あれ?

これ読んだかな?

記憶が定かでなく、読んでいて思い出したら途中でやめようと思いながら、読み進めていて、結局最後まで読んでしまいました。

完全に忘れていたのか、それとも未読だったのか?

これは今でも不明。

年はとりたくないと言うよりも、昔読んだものを忘

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「タケダ・アワー」の時代 

「タケダ・アワー」の時代 

タケダアワー」という言葉自体は知りませんでしたが、この本の背表紙を見てピンとは来ました。

もしやと思って、手にとって表紙を見たら、やはりそうでした。

「タケダアワー」は、日曜日の午後7時から、7時30分のTBS枠。

僕の世代が子供だった頃には、お約束のようにテレビの前に座って、かじりつくように見ていたテレビ枠です。

オーブニングは決まって、武田薬品工業のロゴのある本社工場の空撮に被さる「タ

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老子ふたたび

老子ふたたび

「柔をよく剛を制す」



記憶を辿ると、僕が一番最初に触れた老子の金言は多分これでしたね。

当時の人気スポ根ドラマ「柔道一直線」に感化されて、中学に入ってから始めた柔道。

一度ハマると凝る性分でしたので、柔道の生みの親・嘉納治五郎翁の本などを読み漁りました。

「柔をよく剛を制す」は、ここに出てきましたね。

もちろん、それが「老子」にある言葉だとは知らずに覚えていました。

当時は、チビ

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恐怖の作法ーホラー映画の技術ー 小中千昭

恐怖の作法ーホラー映画の技術ー 小中千昭



ホラー映画とはどういうものか。

観客にとっての「恐怖」とは、どういうもので、それは、どういうふうに演出されるべきか。

これをわかりやすくまとめた「小中理論」というものがあることを、ホラー映画の名手黒沢清監督が語っていたんですね。

ホラー映画マニアとしては、これは捨て置けないわけです。

調べてみると、80年代の後半から、ホラー映画の実作や、脚本執筆に携わっていた小中千昭氏が、その経験則か

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「エントロピーの法則」 ジェレミー・リフキン

「エントロピーの法則」 ジェレミー・リフキン



この本を最初に読んだのは、1983年です。

当時のベストセラーでした。

大学を出てから務めた会社が倒産して、モラトリアムしていた頃でした。

実家が書店でしたので、家でゴロゴロしているのがバツが悪いこともあり、形だけ手伝っていた頃です。

もちろん、友人達と遊び回るお金などもなく、かといってすぐに仕事を探す気にもなれなかったので、何をしたかといえば、ひたすら読書をしていましたね。

もちろ

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「フード・クライシス 食が危ない」 金丸弘美



さまざまなデータから、日本の「食」の危うさを伝えようとする内容。

2006年出版の本で、統計の数字は、現在とは多少の差異もあるでしょうが、傾向はそれほど変わらないでしょう。



思えば、サラリーマンを辞めて、農業をしたいと思い立ったのがちょうどこの本の出版された頃です。

特に本書のような本を読んだわけでもありませんでしたが、理由として、一番大きかったのは、やはり健康の問題。

運送会社

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「タネが危ない」 野口勲



野菜を作っている青梅の畑から、車で15分のところに野口種苗店があります。

「固定種の種だけを売っている」ということは知っていましたので、畑でまくタネは、ここで買ったものを使用しています。

今はありませんが、最初に行った頃には、店先に掲げてあった「火の鳥」の看板が少々異様に写りました。

はて、タネと手塚治虫の関係は?

それは本書の第一章を読むと明らかになります。

僕も、雑誌「COM」に

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