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イラスト映画劇場

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大学生の頃は、授業にも行かないで、情報雑誌「ぴあ」を片手に、関東一円の名画座を巡っていました。 サラリーマンになってから30年は、映画からは遠ざかっていましたが、定年退職後は、そ…
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#山田監督

第5作 男はつらいよ 望郷編 1970年松竹

第5作 男はつらいよ 望郷編 1970年松竹

さて、山田洋次監督が復帰した第5作目です。

本作を再び監督するにあたって、山田監督は、自分がメガホンをとっていないを前作、前々作に感じていたという違和感をスッキリさせ、ドラマ時代から脚本を担当してきたこのシリーズを、自分なりに完結させようと思っていたようです。
それは、キャスティングに、見事に現れています。
ドラマ版のレギュラーだった俳優が、本作には多くゲスト出演しているんですね。
本作のマドン

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第3作「男はつらいよ フーテンの寅」1970年松竹

第3作「男はつらいよ フーテンの寅」1970年松竹

ドラマ版「男はつらいよ」の脚本で、最終回に寅を殺してしまったことでファンのクレームがフジテレビに殺到したのは有名な話。
その罪滅ぼしのために、松竹に掛け合って、映画化したのが、そもそもこのシリーズの1作目「男はつらいよ」でした。
会社側は、当時の常識として、ドラマの映画化を渋ったわけですが、山田監督は、「映画が当たらなかったら、その責任を取って会社を辞める」とまで啖呵を切った末のクランクインだった

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第1作「男はつらいよ」1969年松竹

第1作「男はつらいよ」1969年松竹

男はつらいよ

「桜が咲いております。懐かしい葛飾の桜が、今年も咲いております。」

映画冒頭の車寅次郎のモノローグです。
「男はつらいよ」シリーズの記念すべき第1作目は、20年ぶりに、寅さんが故郷の葛飾柴又に帰ってくるところからスタート。
もちろん「記念すべき」は、今だから言えることで、山田洋次監督も、この映画がまさか、以降延々と50作も作られる国民的大ヒットシリーズになるなんてことは、夢にも思

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