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AIによる著作権侵害を防ぐ「Story」評価額が20億ドル超え

AI開発者による知的財産の無断使用を防ぐ「Story」は8月21日、シリーズBラウンドで8,000万ドルの資金を調達したと発表。企業評価額は22億5,000万ドルに達した。

前回のシリーズAラウンドでは、Paris Hiltonが手がける「11:11 Media」が出資したことでも知らる。

Storyは、クリエイターが自らのコンテンツを作成したことを証明し、その知的財産権を保有していることを示すプラットフォームを提供する。

契約内容を自動生成

同社の技術は、ライセンス料やロイヤルティ分配の取り決めなど、知的財産に関連する条件をスマートコントラクト(ブロックチェーン上に保存されたデジタル契約)に埋め込むことで、個人や企業の知的財産を保護。

スマートコントラクトでは、彼らのコンテンツの使用方法や、作品を複製またはリミックスするために支払うべき料金が定義される。

Ablo

Storyを使用している例としてはAIツール「Ablo」がある。Abloでは、フランスのデザイナーズファッション会社Balmainやイタリアの高級ファッション ハウス Dolce & Gabbanaなどの有名ブランドのデザインを使用して、ユーザーが自分だけのファッションアイテムをオーダーメイドで作れる。

ブランドは、さまざまなライセンス契約や収益分配契約を通じて、ファッションデザイナーの知的財産の使用に対して報酬を得ている

なお、Story自身は、ネットワーク上で行われるあらゆるアクションに対してネットワーク料金を請求することで収益を得る。

AIにも良い未来になるために

OpenAIのChatGPTのような強力な生成AIモデルは、ユーザーの質問に対して高度で情報豊富な回答を生成するために、大量のトレーニングデータを必要とする。しかし、これらのAIモデルのトレーニングに使用されるデータは、著作権制約がある場合が多い。

昨年、ニューヨーク・タイムズは、MicrosoftとOpenAIに対して、同紙の知的財産を無断で使用したとして著作権侵害の訴訟を提起した。この訴訟では、GPT-4が同紙に掲載された記事の内容を改変して出力した例がいくつか挙げられている。

「AIモデルをトレーニングするには優れた知的財産が必要だ。優れた人間が作成したデータがなければ、AIモデルは自らを訓練し、改善することができない」と共同創設者兼CEOであるSY・リー氏は語る。

リー氏は、「誰もがクリエイターやスタジオになれる素晴らしいデジタルルネサンスが起きているが、同時に、誰も実際に報酬を得ておらず、知的財産を正しく収益化していないのであれば、長期的にはAIにとって自殺行為である」と付け加えた。


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