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企業再生メモランダム・第21回 第1回勉強会 経営とは? 後編

「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、複数の会社の企業再生に従事する過程で作成したメモを題材として、様々なテーマについて記載していきます。

「企業再生メモランダム・第20回 第1回勉強会 経営とは? 前編」では、「第1回勉強会 経営とは?」と題したメモの背景とメモの中身の一部について記載しました。

後編では、残りのメモの中身について、ご紹介したいと思います。

メモ「第1回勉強会 経営とは?」の中身

1.なぜ勉強会を行うのか?

(2)スタッフ“個人”の観点から・・・

① スタッフのスキル向上は会社の責務

私たちは経営者の任にある限り経営者として最大限努力をしますが、先日の東日本大震災のように、天災や世界恐慌の可能性など、一個人の力ではいかんともしがたいことも起こり得る不確実な時代を迎えています。

このように不確実な時代では、残念ながら、多くの人が考える古き良き日本の会社のように、スタッフ全員の定年までの生活を保証することは難しいと言わざるを得ません。

また、欧米のように日本でも失業率が向上した場合、正社員の席の奪い合いが起こることが予想されます。その際のライバルは、就職できなかった若者だけではなく、定年から年金支給までの60歳以上の中高年や外国人になると思います。

そのため、将来、対象会社に万が一の可能性があって、スタッフの皆さんに転職の可能性がある以上、どのような会社であっても付加価値を提供することができるスキルをスタッフに身につけさせることが、スタッフの将来を考えることであると同時に、会社の責務であると思います。

② 自分に投資をしよう!

将来が不確実な時代だと仮定して、自分の将来のキャリアについて考えてみましょう。

将来、何をしたいのか?それは対象会社で実現可能か?対象会社でどのようなスキルを身につけるのか?いろいろと考えることが大事です。

そして、積極的に時間やお金を自分自身に投資して、スキルアップを図ってみましょう。

将来のリスクを回避するためには、積極的に時間やお金を自分自身に投資してスキルアップを図ったほうが良いでしょう。

自分自身への投資の具体的な例として、座学での勉強、勉強会・講習会への参加や読書などが挙げられます。

私が話をしている内容も、既に世の中に出回っている情報です。古本ならばワンコインで購入でき、読むのが早い人ならば2時間あれば読破できるかもしれません。

たったワンコインで、新しい価値観やスキルを身につけることができ、なおかつ、日々の仕事が楽しくなり、人生が豊かになるのです。

③ 会社経営は面白い

会社経営は、お金の対価としての「労働」ではありません。自分の意思や考えで会社を良くすることで達成感が得られたり、お客様、スタッフや地域社会などのステークホルダー全てに感謝されたりする最高の「仕事」です。

ぜひとも積極的に会社経営にチャレンジして欲しいと思います。

2.会社経営とは何か?

(1)経営とは?

経営とは、簡単に言えば「会社を存続発展させること(を目的とした種々の活動)」です。事業とは、何らかの仕事とか商売とかを行うことで、これ自体は厳密な意味では経営ではありません。会社を将来へ向かって存続発展させ、事業を経営することが「経営」です。但し、経営の意味を含ませて広く「事業」と呼ぶ場合もあります。

存続発展とは言葉で言えば簡単ですが、そのためには何をしなければならないか、どのような状態を創り出さねばならないか、と考えていけば、極めて多くの課題が見つかります。

かの有名な経営学者であるピーター・F・ドラッカーも「経営者は、経営しなければならない」と言っています。

では、会社を存続発展させるためには何が必要なのでしょうか?

(2)今、あなたが対象会社の経営者だったら、何を行いますか?

経営の目的、経営者の仕事、対象会社の問題点を改めて整理をしてみましょう。今、あなたが対象会社の経営者だったら、どのようなビジョンを掲げますか?具体的に何を行いますか?



本連載は事実を元にしたフィクションです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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