見出し画像

20年ぶりのブラジリアン・ハウス

先日からふと思い出したように昔のブラジリアン・ハウスを聴いている。最近の若い人には馴染みがないかもしれないけど、今から20年くらい前にイタリアを中心としたヨーロッパの一部の国と日本で一大ブームになったジャンルで、僕が大学生のころにオシャレな音楽と言えばこのブラジリアン・ハウスだった。

メジャーどころで言うと、モンド・グロッソがbirdをフィーチャリングして2000年にリリースしたLifeという曲が有名。当時ANAの沖縄キャンペーンとしてCMでもよく流れてたので、聴いたことある人も多いと思う。

そんなブラジリアン・ハウス、2000年代後半の「乙女ハウス」の流れもあって巷ではすっかりチャラくてダサい音楽扱いされることになってしまったけど、ブーム最盛期の2003~2004年くらいまでの曲には普通に良曲も多い。

そんな風に考えてこのジャンルで自作コンピを作ってみたので、ここから先は気が向いたらこの音源をBGMにしながら読んでみるといいかもしれない。

ブームの全盛期とその後

実際のブームがどうだったかは良く分からないけど、当時渋谷~下北沢の界隈で青春時代を過ごしていた僕の感覚では、2003~2004年頃まではわりと一線で流行っていたイメージがある。

その頃はカフェブームもあって、旧譜のブラジル盤やちょっとラウンジっぽいボサノバ系の曲も流行ってたから、なんとなくブラジル音楽=おしゃれみたいな雰囲気だった。

旗色が変わったのは、The Five Corners Quintetの登場やニコラ・コンテの2ndアルバムが出たあたり。この頃を境にクラブジャズシーンは急速に60年代のモダンジャズに接近していき、それまでブームだったブラジル音楽はなんだか少し時代遅れな感じになってしまった。

そこに追い打ちをかけたのが、メジャーレーベルによる商業主義的ないわゆる「乙女ハウス」のプッシュ。これが致命的になり、当時宇田川のクラブで遊んでたような人たちは、このジャンルからみんな離れて行ってしまった。

このあたりの陳腐化の流れは年代的なものも含め、西海岸アングラヒップホップ(いわゆる00'sジャジー・ヒップホップ)にも通じるものがある。かなりわかりやすくセルアウト路線に走ったから、みんなそっぽ向いちゃったんだよね。

20年経てばビンテージ?

世間では十年ひと昔なんてよく言うけど、10年前の流行りモノって現在の目線で見ると絶妙にダサくみえるものがほとんど。ところがこれが20年前のものになると少し話が変わってくる。

なぜだか理由はよく分からないけど、20年経つとだいたい何でも許せるようになってくるんだよね(笑)

そんなわけで当時のブラジリアンハウスも今聴くと、なんだか普通に聴けてしまう。今はなき渋谷DMRでプッシュされててリアルタイムに聴いてた曲も多いので、ある種の懐かしさは感じるんだけど、不思議と古くささは感じない。

そういう意味ではビンテージって感覚ともまた少し違うかな。今聴いても普通におしゃれなサウンドだしね。


そんなわけで、今日は久しぶりに聴いてるブラジリアンハウスについて。ダ・ラータ、バー・サンバなんてグループに反応する人は聴いてみると幸せになれると思う。

今の季節のBGMにもぴったりだしね。まぁ暑すぎる気はするけど。。。

この記事が参加している募集

休日のすごし方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?