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や〜い!お前知らんやろ〜!「客観的」という語の意味!

 漢字は表意文字であるので、読書で初めて見る単語に出会っても、それがどれも既に意味を知っている漢字で構成されている単語ならば、調べなくてもおおよその意味が分かるというメリットがあるが、その表意文字の特徴がデメリットになることもある。漢字には多義性があるため本当の意味とは違う意味へ導かれ誤った解釈をされてしまう事がしばしば見受けられる。
 例えば「客観的」という単語。
 『Yahoo!知恵袋』でこんな質問と回答を見た。

ある意味本当に「ベストアンサー」

 この回答は、もしかしたら、ネタなのかもしれないがマジレスすると、「客観的」の「客」と「お客さん」の「客」は同じ意味じゃないよ。 漢和辞典で「客」の意味を調べてみると、以下のように、いくつも意味がある(※辞書はあくまで"参考書"であり、常に正しい事が書かれているとは限らない。たまにツッコミどころがある。それが辞書というものである事を念頭に置いてもらいたい。特に日本で一番売れている辞書「新明解国語辞典」はツッコミ所が多い事で知られる)。

 「客観的」の意味を問う質問は『Yahoo!知恵袋』でよく見かける。質問者は辞書で調べても分からないから、『Yahoo!知恵袋』で質問していると思うんだけど、辞書のコピペで回答していたり「わからん」という回答もあったりで、酷い。まともな回答はほとんど見当らない。
  「客観的」という語は「第三者の立場で物事を見たり考えたりするさま」という意味で使われる事が多くなって来ている。辞書によってはその意味の語釈もあったりするが、元々はそういう意味ではない。「第三者の立場で」…つっても、おもくそ、そいつの先入観や価値観、印象などの主観の要素が入り込む余地があるやんけ!だから、第三者の立場で考えても本来は「客観的」とは言えない。だけど、言葉は慣例が最優先されるもの。誤った意味でもその使い方が慣例となると、その誤った意味でもたいてい通じてしまうので誤った意味も徐々に正しい意味として採用されるようになる。
 「客観的」という語は、「"認識"とは何か」を考える上でかなり重要なキーワードとなるので、是非本来の意味も覚えて頂きたい。私は受験生の時に「客観」の対義語は「主観」である事をヒントに自力で「客観的」という語がどういう意味を持つかにじっくりじっくり考えた末どうにかたどり着いた。なぜ「客観」に「的」が付く事が多いのかも簡単な理屈で分かった。受験勉強をしていて予備校の現代文の講師に「問題文は客観的に読むように」と言われてもその意味が分からずかなり困っていたので、必死に考えた思ひ出がある。今では「客観的」という語の本来の意味が分からない人に、私はその本来の意味を分かりやすく教えられる自信があるけど、そんなに難しいものじゃないし受験生だった頃の私のように自分で答えを見つけて欲しいのでヒントしか書かない。
 もう一度書くと、ヒントは「客観」の対義語は「主観」。

……「主観」の意味も分からないという人は、情報料5kで。

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