灰谷スイ

地下アイドル Twitter→ sui_MHZ

灰谷スイ

地下アイドル Twitter→ sui_MHZ

マガジン

  • 月の砂漠〜じいじと私の20年〜

最近の記事

月の砂漠 第5話くらい

前回記事を書いた12/29午前4時頃、その4時間後祖父は旅立った。 なかなか気持ちの整理がつかずに筆を執るのが遅くなったが、もちろんまだ実感は湧いていない。どこかにいけば必ず会える。そう思っている。 12/29の午前4時頃何があったのかを綴る。眠っていると、いつも私を起こす時と全くおなじ祖父の声で名前を呼ばれた感覚がした。目を覚ますと今までの祖父との思い出が走馬灯のように思い出されて、ありえないくらい涙が出た。そして私の大好きな祖父の作ったチャーハンの味が不思議なことに口

    • 月の砂漠 ~

      もうすぐ祖父が亡くなる。 末期の肝臓がんだそうだ。 20年間ずっと抱いてきたいつか訪れる恐怖が、今目前に迫っている。 耐えられない、きっとこの世にある全ての快楽じゃ紛らわせない、最大で最凶の痛みである。 私は絶対に耐えられない。 祖父以上に祖父で、母親以上に母親で、片親である私の父親に誰よりもなろうとしてくれた。そして実際になってくれた、最愛のじいじである。じいじ、言葉では表せないくらいの愛。 ━━━━━━━━━━━━━━━ 祖父が親戚が務めている老人ホームに入居

      • じいじと週末

        昔はじいじと一緒に暮らしていたのだが、家の事情により、小学生低学年で別々に暮らすことになった。 母がうつ病にかかり、じいじとの共同生活ができないと判断したためだったと思う。それでもさほど遠い場所ではなかったので、私は毎週末、電車に乗ってじいじの家に遊びに行っていた。うつ病の母との生活は決して楽しいものではなく、私もじいじの家に行くのが週末の楽しみとなっていた。 じいじの家に行くと小学生の頃はよく、近所の『イトーヨーカドー』に連れて行ってもらっていた。キッズコーナーのカード

        • じいじとピクサー映画

          これは私が中学生のこと。 とある休日に、じいじを映画に誘った。じいじは私のことが大好きで、一緒に出かけるとなれば喜んでどこにだって付いてきてくれた。 私が見たいと行った映画はピクサーの「少年とアーロ」という映画で、子供向けのものである。多分私はそんな子供向けの映画に友達を誘うのが恥ずかしかったんだと思う。何が見たいとも告げず、ただただ渋谷の映画館に行った。 昔から買い物や用事は渋谷ですることが多く、デパートや109での買い物には必ず母ではなくじいじと行くことが多かった。

        月の砂漠 第5話くらい

        マガジン

        • 月の砂漠〜じいじと私の20年〜
          2本

        記事

          月の砂漠〜じいじと私の20年〜

          今日からここに綴る話は、私とじいじの物語である。 ハートフルで少し笑えてちょっぴり泣ける、私とじいじの20年を、この自宅待機期間、刺身のツマしていただければ幸いです。 今は老人ホームに入っているが、幼い頃は一緒に住んでおり、仕事で忙しかった母親よりも長い時間をともに過ごしたと言っても過言ではないだろう。本当にいろんなところに連れて行ってもらったし、学校では教えてくれないたくさんのことを教えてくれた私の1番の先生であり、誰よりも優しくておちゃめな大親友だ。 これは私がまだ

          月の砂漠〜じいじと私の20年〜