春風駘蕩

学卒後、大手企業勤務、退職、起業、経営の成功そして失敗、多額の借金、世界中放浪、NGO…

春風駘蕩

学卒後、大手企業勤務、退職、起業、経営の成功そして失敗、多額の借金、世界中放浪、NGOや国内NPOを主宰、政治活動、企業再生請負、M&A仲介、海外での起業、外資系企業社長、e-sport協会立上げ、ソロでコンサル、フリーエージェント、等々を経て現在はフリーランスで一人暮らし。

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  • 僕の細道

    松尾芭蕉の「奥の細道」を辿った旅日記

最近の記事

僕の細道(本編)⑥ 雲巌寺

僕の細道(本編)⑥ 雲巌寺 鬱蒼と左右からのしかかる杉木立の影に道路が薄暗い 全く気づかずに通り過ぎてしまったことに カーナビの反応で気づく 表道からではわからない そのくらいひっそりと控えている 駐車場だと思われる道向かいのだだっ広い空地に車を止め 杉木立の間を分け入ると 表からは想像出来ない空間が静かに広がっていました。 この寺の仏頂和尚は芭蕉の禅の師匠 「縦横の 五尺にたらぬ 草の庵 むすぶもくやし 雨なかりせば」 仏頂和尚 この寺の奥に和尚が山ごもり

    • 僕の細道(本編)④ うらみの滝

      二荒山神社から車で10分、駐車場から歩いて10分 芭蕉が訪れた滝がある。 「うらみの滝」 鬱蒼とした山道を登って行くと やがて碧い水が岩間を抜ける渓流が左手下に見え、ざーっ、という音が聞こえ始める。 音に誘われしばらく行くといくぶん開けた空間 奥までいくと顔前が岩の壁に覆われた行き止まりに、そして複数の滝が 周りの空気は一気に緊張し冷気が体を包みます なんという清浄で張り詰めた空気なんでしょ つい今までの気だるい蒸し暑さと蝉の声は消え去り一瞬にして別世界へ入った心地で

      • 僕の細道(本編)⑤ つけ麺

        461号線を一路東へ、雲巌寺へと向かう 気がついたら2時を過ぎている、腹が減った。 田舎の国道なので全国チェーン店は見当たらない 一軒、こんな時間にもかかわらず駐車場が詰まっているラーメン屋がある 入ることに バリバリの地元民の地元民による地元民の為の店ですムード全開です 中に入ると全員がこっちをジロ見、よそもんじゃんって感じ お前は西部劇の見過ぎだ! ただ中はすごい熱気? 一応エアコン入ってるんだけど 調理場と一体化していて外と変わんない暑さ 扇風機が何台も回ってい

        • 僕の細道(閑話休題)④" 追贈

          ところで 現在全国に一万社を超える天満宮 もとは菅原道真を左遷しその死後宮中に不吉なことが次々に起こり その祟りを恐れて北野天満宮に祀ったのが始まりなのはご存知の方も多いと思いますが その時の本人の未練タラタラの歌がこれ 『東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ』 九州太宰府の飛梅伝説になった歌ですが さすが、全くタラタラぶりを感じさせず品格高く優雅に歌い上げています。 彼の死後も祟りを恐れた朝廷は生前従二位だった官位を追贈に追贈を

        僕の細道(本編)⑥ 雲巌寺

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        • 僕の細道
          10本

        記事

          僕の細道(本編)③ 日の光

          早朝より蜩(ひぐらし)の声と鳥のさえずりに目を覚ます。 ご存じかもしれませんが、蜩はそのネーミングから夕方4ー6時に鳴くイメージが強いですが 実は早朝の同時刻にも鳴くのです。 夏山のキャンプの朝の目覚ましの順番は蜩、小鳥、カラスそして朝日ですね 午前8時、もうすでに真夏の直射日光下で30度は越えている 汗だくになりながら、ゆっくりとテントを片付け二荒山(ふたらさん)神社へ向かう 日光三山を背景に日本には珍しく山景がボコボコしてます。中国っぽいです。 深い緑に覆われ青々

          僕の細道(本編)③ 日の光

          僕の細道(本編)② ミトコンドリア

          『行春や 鳥啼(なき)魚の 目は涙』 芭蕉 本来なら隅田川沿い千住辺りから 上記の句を噛み締めながら旅立ちであるが 都内は渋滞が、、、 っで、自宅から一気に都内を通り抜け4号線を北上し日光へ向かうことに 「魚の目にも涙」?、現代人のオイラにはピンとこない比喩だが やはり当時は陸奥への旅は命懸けであったことを想像させる句でもある。 下道をトロトロ走る。 原則、高速は使わない。 春日部を過ぎた辺りから両サイドに緑が目立ち始める。 途中、吉野家で牛丼を 最近はカウンタ

          僕の細道(本編)② ミトコンドリア

          僕の細道(本編)① かるみ

          『古池や 蛙飛びこむ 水のおと』  芭蕉 芭蕉が奥の細道に旅に出る三年前に詠んだそうです。 ほとんどの日本人なら知っている芭蕉の最も有名な俳句 この句は「蕉風開眼」の句とも言われている 実はこの句は「蛙飛びこむ水の音」が先に浮かんで後に推敲を重ね「古池や」としたと、どこかに書いているそうです。 と言うことは、この句は風景描写をしたのではなく心象風景を映し出し、哲学的な広がりを与えた句ということに、、、 確かに、風景描写をならば「古池に…」になる。 滑稽を趣にしてきた

          僕の細道(本編)① かるみ

          僕の細道(序章)⑥ 蛍

          突然ですが、 私が驚愕した現代俳句を一句 『じゃんけんで 負けて蛍に 生まれたの』  池田澄子 えっ、何て?? 思わず何回か読み返しましたが、しばらく思考停止状態に なんなんだこりゃ? 今だに不明です。 深すぎて解読不能 でもって頭から離れません。 池田澄子先生は御歳77。 数々の賞も受賞されているれっきとした現代俳人でいらっしゃいます。 夏休み最後の日曜日にクイズを提供いたしました。 ゆっくりお悩み下さい。(笑) 無精 ⚠️この日記は十年前に書

          僕の細道(序章)⑥ 蛍

          僕の細道(序章)⑤ ヒッチハイカー

          高速で一路東京へ 眠気覚ましの話し相手にちょうどいいやと思い、浜名湖ICでヒッチハイクのお兄ちゃんを一人拾った。…はいいけど 30時間近く待ったらしく、即寝爆睡! 話し相手どころではない 死体運んでるようなもんだわなぁ~ 仕方ねえや、東京まで運んでやるか(笑) このお兄さん、 1時間ほどしたらはたと目覚めモゾモゾし始める 聞くと、ここ数日まともに飯を食ってないらしい 近くのインターで好きなだけ飯食わしたら ボソボソと成り行きをしゃべる始めた。 なんでも、年は2

          僕の細道(序章)⑤ ヒッチハイカー

          僕の細道(序章)④ 手裏剣

          お車を借り受け、いよいよ江戸へ向け出発である。 雲ひとつなき晴天、お日さまも門出を喜んでくれている 全て手前の都合の好きな解釈でことを思うは我が習性なり 当然、車は東に向かい花の都大江戸を一路目指すこととなるが 折角ここまで来たのである、 芭蕉翁ご生誕の地、伊賀の里を通り過ぎるわけにはいかないであろう まさに都合よく行く手の途中である 伊賀の城中に入ると忍者キャラのマスコットがチラチラと目に入るが 驚きのポスターを発見❗️ 「第6回伊賀流手裏剣打選手権大会

          僕の細道(序章)④ 手裏剣

          僕の細道(序章)③ 奈良

          『いにしえの 奈良の都の 八重桜 けふここのえに 匂いぬるかな』 (伊勢大輔) 奈良に来ました。 奈良公園を通り抜け、新薬師寺で十二神将を拝し、 近隣の白毫寺に詣でる。 山門に通じる石畳の長い階段の両の脇は青々とした萩に覆われ 閑かな佇まいがまるで天国への階段のようです。 息を切らし登った境内からは奈良の都が一望できます。 鬱蒼とした背後の山から一面を覆う蝉時雨。 いくぶん涼しげでなぜか黄昏れるひぐらしの声を聞きながら石椅子に腰を下ろす。 『春すぎて 夏来

          僕の細道(序章)③ 奈良

          僕の細道(序章)②富士山

          馬(車)を求めて関西に向かう。 久しく富士に接しておらず、新幹線に山側の席を求めたが、 一面の雲にて拝することかなわず。 残念なり、復路に心をよせる。 思えば、十数年前 富士山の環境保存を目的とするあるNPO団体が 登山者の糞尿タレ流しの現状を憂い 独自開発したバイオトイレを富士山山頂で1年間の設置使用実験行うこととなり 当時世界放浪からたまたま一時帰国し、時差ボケていたオイラは 友人に勧められて(欺されて)、何故かボランティア参加することとなり ひと夏を

          僕の細道(序章)②富士山

          僕の細道(序章)① 500円貯金

          『月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也・・・ 予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず・・・』 松尾芭蕉 奥の細道より 五百円玉貯金箱が一杯になった。 貯金箱をひっくり返し、中身を数えたら 何と、200枚を超えていた。 10万円じゃん! プータローたまにフリーターのオイラにっとってこれは大臨時ボーナスである。 何に使うか1週間以上悩んだが 正直、これっと言って欲しいものもない ただダラダラといつものようになくなって行くのはさみしいので 家賃の先払

          僕の細道(序章)① 500円貯金