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僕の細道(本編)⑤ つけ麺

461号線を一路東へ、雲巌寺へと向かう

気がついたら2時を過ぎている、腹が減った。
田舎の国道なので全国チェーン店は見当たらない
一軒、こんな時間にもかかわらず駐車場が詰まっているラーメン屋がある
入ることに

バリバリの地元民の地元民による地元民の為の店ですムード全開です
中に入ると全員がこっちをジロ見、よそもんじゃんって感じ
お前は西部劇の見過ぎだ!

ただ中はすごい熱気?
一応エアコン入ってるんだけど
調理場と一体化していて外と変わんない暑さ

扇風機が何台も回っている
みんな汗びっしょりで食べている
ヤンキーのお兄ちゃんも、近所のオバちゃんも

マジかよ‼︎

しかもこの時間に混んでる。
カウンターの隅に座って不器用そうなお兄ちゃんにつけ麺を注文したら
結構細かいことまで聞いてくる
麺の種類は?何グラムに?茹で加減は?スープの種類は?温度は?
そこまで聞かれたの始めてだ

隣ではOLのお姉さんがやたら太いつけ麺を首にタオル掛けて食べている。

よく食えるな〜

しばらくして出てきたので一口食ったら
これが旨いの!ビックリ!
麺は太いのですが蕎麦でも食っているような感じで重くない
お腹にこたえないのだ

その後もお水のおかわり、冷たいタオルと、出てきて
タレの追加は?麺の追加は?と親切

みんなお友達のようで店長は調理場から顔を出しては全員と会話を交わしている。

この暑さでも、この時間でも、いっぱいなわけだわな
作ってる方も、食ってる方も、みんな汗みどろになって
お互いありがとう〜って感じです。

都会のマニュアル対応の無機質な空間とは違う
それはそれでいいんだが、やっぱり淋しい。

帰り際、話しかけられた。地元訛りで、、、
「どっから来たの?  」
「東京から旅してる。」
「そうかい、そりゃ大変だな〜。」
「好きでやってからね。」
「またおいでよ。」
屈託のない堂々とした笑顔に押され、

「うん。」っと言ってしまった。(笑)

一期一会

いったい何の話をしているのだ?
雲巌寺はまだか?芭蕉はどこだ?

『つけ麺に 人の薬味が 味を増す』  無精


追伸

「素麺」「冷麺」は夏の季語として定着しているらしい
「つけ麺」もギリギリで入れて下さい、、、
お願いします。(笑)

無精

⚠️この日記は10年前に書いたモノです。

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