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しあわせ、と言ってみること

「わたしの‘’幸せ‘’って、何だろう?」

仕事を終え、作業をするためいつものように喫茶店に入った私は、普段のルーティンで作業前の読書をしていた。

注文したアイスコーヒーを机の端に置くと、パソコンを開く。そのパソコンに簡単なToDoリストを書き込み、早速鞄から本を取り出す。

作業前には10分間好きな本を読むのが私の最近のルーティンであり、一日の楽しみであるのだ。

今日は、敬愛する夏生さえりさんの著書、「揺れる心の真ん中で」を持ち歩いていた。

読み進めていくと、早々にこのような言葉が目に留まった。

好きなものを考え、細かく思い浮かべるだけの遊び。わたしはよく、こういうことをする。
(中略)
そこで今度は、口には出さずにとある言葉を唱えてみた。
"しあわせ"。
そして、また思考を遠くへ飛ばす。
【夏生さえり著/揺れる心の真ん中で より引用】

‘’幸せ‘’。私の「幸せ」は何だろうか。

さえりさんに倣ってわたしも、目を瞑り、意識を心の内側へポーンと飛ばしてみる。

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最初に浮かんだのは、大好きな人の優しい顔。そして自分は横になり、その人の手を握っている。横になっていると書いたが、感覚は“起きられない“に近い。おそらく、自分は死の間際なのだろう。

なるほど。死の間際には愛する誰かのそばにいたい、ということか。

次に浮かんだのは、書店に立って、並べられた本を見つめている場面。その目の先には、著者に私、霧村の名が書いてある、単行本が置いてある。

途端に顔がほころんでしまった。意識が心の内側から、段々と現実の自分へと戻ってくる。
とても素直な「幸せ」だ。やはり、ライターとして書き物をする以上、自身の作品が本として世に出るというのは一つ大きな夢であり目標であるのだ。

楽しい。楽しいぞ、これは。

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実は最近の、現実のわたしは悩んでいた。書きたいことと、表現する場所と、自分の身を置く環境と、自分の志について。
そして詳しいのではと思われる、有識な方々から、様々なアドバイスをいただいていた。(その節は本当に、ありがとうございました。起業したあなたや、音楽をしているあなたや、個人で事業に取り組むあなたや、素敵な思いの元、夢に向かって邁進するあなたへ向けて。)

そうしていただいた言葉の一つに、こんなものがある。

「先ずは志を決めましょう。」

「自己分析をしよう。」

「悩みの細分化をしよう。」

それらすべてがおそらく現実の、現在のわたしに足りない部分で、これから必要な部分であると感じた。

そして自分自身の内面を見つめるこれらの行為は結構つらく、エネルギーが必要だった。無論、くるしいながらも取り組んだのだが、いやになって取り組まない日があるのも事実だった。

そんな時に見つけた(この場合読んだ)一節が、前述した夏生さえりさんの言葉たちである。まさに、「わたしのための本だ」と感じた。

ためしにやってみたのは「しあわせ」についてだったが、他の言葉や、悩んだときに思い浮かんだ言葉などでも試してみたい。いろんな言葉で、細かく思い浮かべて、遊んでみたい。

そして、新しい“あそび“を書籍に書いてくださったさえりさんと、明確・的確なアドバイスをくださった皆様に感謝の思いを明記し、この散文を終いとする。

さえりさんのnoteはこちら​




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