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【名言1】フン 惜しくなどないさ ー 俺は俺でしかないのだから(可士太郎 / 我間乱)


▶自分の目を覚ました一言

新しく始まりました、「アニメ、マンガの名言から学ぶ実力発揮」。

記念すべき第一回目は、イップスに悩まされていた当時の自分に大きな影響を与えたお気に入りの名言を選びました。

このセリフを読む前までは、「こんな簡単な事、初心者でもできるぞ」「周りから、こんなことも出来ないのか、と思われないかな」「なんで私だけイップスに」「もう大会出るのやめようかな(イップス発症前は県規模の大会でベスト64まで行ったり、市内大会で角シードになったこともあったが、イップス発症してからはほとんどが1,2回戦負けだった)」などといったことを延々と考え続け、自分を傷つけ苦しんでいました。
 今回の名言を読んだ後も、このような自責思考で当分の間悩み続けはしました。ただ、今回紹介する名言に出会った事が、心機を一転し、自分の心を見つめる重要な第一歩となったのです。

それでは、今回の名言
「フン 惜しくなどないさ ー 俺は俺でしかないのだから」について詳しくみていきましょう。
 まずは物語の流れから

▶生まれつき身体が弱いとされた可士太郎

今回の発言者である可士太郎は生まれつき筋力が弱く、力も体力も人並み以下です。その筋力故に通常の刀を扱うことが出来ず、短刀で戦います。しかし、可士太郎の身体操作能力はすさまじく、主人公の我間たちの師匠でもあります。

そんな可士太郎は、第126話にて山ノ上清盛と戦闘をすることになります。
清盛との激闘の末、可士太郎はすんでのところで清盛を打ち倒します。

可士太郎の身体操作能力を認めていた清盛は、倒される直前、可士太郎に向かって「お…惜しい……   キミに人並みの身体があったら….」と言い放ちます。

そこで放たれたのが今回の名言。

「フン 惜しくなどないさ ー 俺は俺でしかないのだから」

実際のシーンがこちら。

我間乱 / 中丸洋介 第128話から引用

▶自己受容の極致

この可士太郎、なにが凄いって、自分の体力のなさを恨んだり、他人や環境のせいにして不満を言ったり、「体力があったら自分はもっと強くなれたのに」などと悲観したりすることが一切ないんですよね。

かといって、「そこらの人よりも体力がないのに、こんなに強い俺かっけぇ」などとうぬぼれる事もない。

ただ自分の現状をありのままに受け入れ、認める。自己受容力が半端じゃないんです。

▶現状を受け入れる、認める

「現状を認める」ことは、実力を発揮する上でとても大事だと思っています。確かに、最初はとても怖いです。「今まで一生懸命やってきた」というプライドもありますし、上のレベルを目指しているからこそ、自分の現状を認めることが難しい場合もあるでしょう。恥ややるせなさを感じることもあるかもしれません。

ただ、私自身の経験からはっきりと分かっているのは、プライドや恥などは、本人や他人が勝手に言っているだけのことで、実体のないものだという事です。

たとえば、私はイップスを発症してから、フォアハンドを打つときに手が震えて思い通りに打つことが出来なくなりました。ここまでは事実です。
ですが、「クラブチームにまで通ってたのにフォアハンドも出来ないなんてなんてダメなんだ」とか、「何年間もやってきてフォアハンドをミスするのは恥ずかしい」とか、「絶対にミスしてはならないし、きれいなフォームで打つべきだ」とかいう事は、すべて自分の頭で作り出した意見なのです。
私はこの自分自身の思い込みによって苦しめられていたのです。
(そもそも、これらの思い込みが自分を追い詰めイップス発症につながったとも言えます。)

現状を認めるというのは、「私は今イップスになってフォアハンドを思うように振れません。それが何か?」というスタンスであり、「前回の地理のテストで偏差値39をマークしました。それが何か?」というスタンスの事です。(どちらも実話です。笑)意見を加えずに、ただ事実を認めるだけです。

偏差値39をマークすること自体に、良いも悪いもありません。勝手に人がいいか悪いかを判断するだけです。お母さんは「悪い」と判断するかもしれませんが、偏差値30をマークした人から見れば「良い」ものになります。

結局、意見というのはその程度のものなのです。相対的なんです。ただの思い込みなんです。そんなものに振り回されるのは、私から言わせてもらうと本当にバカバカしいんです。

まずは自分で自分を苦しめている思い込みに気づく。そして、現在の、ありのままの自分を認める。受け入れる。そうすることで、次への活路が見いだされていくと思うのです。

▶イップスは恥ずかしいものじゃない

私は、イップスは一種の病だと思っています。
悪い意味ではありません。風邪のようなものです。

イップスは、「~しなければならない」「~するべきだ」といった決めつけや恐怖心によって引き起こされる面が大きいと思います。そういった決めつけなどで無意識領域がいっぱいいっぱいになり、誤作動として体の動きにあらわれます。

ただ、それは恥ずべきものじゃないのです。体が誤作動を起こすようになってしまうまで、意識的にも無意識的にも自分にムチを打っていたということであり、あなたが一生懸命に自分や他人の期待にこたえようとしてきた証でもあります。

イップス克服のためには、自分を苦しめている決めつけや思い込みに気づく必要があると思います。(実際、わたしは「心身条件反射療法」という施術を受け、イップス症状が回復に向かっていきました。興味がある方はぜひ調べてみてください)

▶一番伝えたいこと

ちょっと話の本筋からそれてしまいましたが、結局何が言いたいのかというと、

世の中のほとんどは事実ではなく意見。他人や世間、そして自分からの意見や決めつけを無視して、事実を認識すること。そして、事実がどのようなものであっても、それを無条件に受け入れ認めること。これが結構大事なんじゃないでしょうか。

ということです。現状を、自分のありのままを認めることで、見えてくる世界があるでしょう。一度、自分にムチ打つことをやめて、自分を認めてあげてください。

少なくとも自分だけは、自分の味方でいたいじゃないですか。


ということで、あまりまとまりのない文章になってしまいましたが、書きたいことは書けたので良しとします!(笑)

「我間乱」、個人的には結構面白い漫画でした。是非読んでみてください。それではまた。



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