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一人でさびしいフリーランスはZoomを立てよう~バーチャルシェアオフィスの勧め

Xで、「一緒に作業できる仕事仲間がほしい」といった書き込みを見かけました。
書かれていたのはフリーランスのイラストレーターのかただったかと思います。

私自身、フリーのライター、そしてフォトグラファーなので、ふだんから一人で仕事をしています。
一人は気楽ですが、一人きりのスタジオで黙々と作業をするのは、けっこうつらいときがあるのも事実です。

ひとりが気楽、ひとりが好き、組織で仕事をするのがなじめない、落ち着かない、といったさまざまな理由から、ひとりで作業できるフリーランスをしているかたも多いと思います。
私も、ひとりの時間がないと疲れるし、かといってずっとひとりは寂しかったりもします。

ひとりでいいこと

  • 好きなときに食事ができる

  • 好きなときに休憩できる

  • 人に話を合わせたり、時間を合わせる必要がない

箇条書きにしてみましたけれど、要は、マイペースで仕事が進められる(締め切りなどはもちろん守りつつ)ということに尽きると思います。

ひとりで困ること

一方で、ひとりで困ることもいろいろあります。

  • ちょっとした雑談もできない

  • 「これどうかな?」といった、ちょっとした相談をする相手がいない

  • 仕事の愚痴を誰かに聞いてほしくても誰もいない

  • 情報交換ができない

こちらも結局、話し相手がいない、に集約されます。
私も、仕事場で発した言葉が「アレクサ、〇〇して」だけという日がたくさんありました。

あと一人オフィスだと、もしいま倒れても発見されないかも、なんていう心配も、なきにしもあらずで、

Zoomを一日中立ててみた

同業のフォトグラファーから代理で撮影を依頼されたことがきっかけだったと思いますが、一日中Zoomを立ててみました。

以前も何度かやっていて、そのときは配信をしている仲間が時々来てくれておしゃべりしていました。
ただ、話していると、なかなか作業が進まないこともあったり、それぞれ都合もあって誰も来ない日のほうが多かったり、私自身も忙しくて立てられなかったりで、しばらくやっていませんでした。

しゃべると、どうしても頭の中の言語野がそちらにとられてしまうので、ライターの仕事では、ラジオもつけられないのですが、写真の仕事では、撮影してきた写真を選んでレタッチする作業があります。
ひたすら写真を見て、OK、NGを決めて選ぶ作業がセレクト、選んだ写真の色調や明るさを調整するレタッチは、ラジオを聴きながらでもできるので、これならしゃべりながらでもできるかも、と思い、フォトグラファー仲間を一人誘って、Zoomしながらのセレクト作業を試してみました。

はかどる!

セレクト作業は、撮影した内容にもよりますが、大量の写真を見ながら選んでいくのに、けっこう疲れて集中が続かないことがあるのですが、画面に人がいてちょっとしゃべりながらやるだけで、ものすごくはかどって、お互いにびっくりしました。

相手の作業を監視しているわけではないのですが、しゃべりたかったらちょっとしゃべって、二人とも黙々作業が続くときもあります。

もう一人誘って、三人に。
昨日もう一人誘ったので、四人になりました。

Zoomしながらの作業でいいこと

とにかくはかどる

しゃべりながら、目は画面を追ってひたすらボツカット出しを続けていきますが、これが驚くほどはかどります。

似たような写真を何枚も見ることになるので、脳が飽きてくるのですが、しゃべっているとそちらからの刺激があること、話していなくても人の気配があるので、仕事しよう、という気持ちになるのが大きい気がしています。

情報交換

同業者同士なので、あのソフトがアップデートしたとか、カメラのファームアップが出ているとか、このレンズがどうとか、そんな情報交換ができて、それがとてもよい感じです。
ちょっとした設定をどうするか、とか、調べるほどじゃないけれど知りたいこととか、仲間がいるとこうも情報が広がるのか、という感じです。

データを現像していて気づいたことなども共有できるので、場合によってはお互いが自分のデータでその場ですぐ試したりもしています。

壁打ち、アドバイス、悩み相談

私だけかもしれませんが、一人でやっていると、とにかくネガティブ思考になるときがあります。
このやりかたでいいのかな? こんなこと試してみたいけれど大丈夫かな? など、会社組織で同僚がいたらちょっと聞けそうなことも、一匹狼のフリーランスでは聞く相手を見つけるのもなかなか難しかったりします。

業種が違うと悩みも違ってくるので、アドバイスや壁打ちもまた変わってくると思いますが、同業者同士なので、悩みも共有できます。

守秘義務がある写真はダメだけれど、自分の作品撮りの写真を見せ合って、レタッチのしかたを教わったり、オンラインサービスを紹介し合ったり、ものすごく知識と情報の幅が広がりました。

褒め合える

これはメンバーによるかもしれませんが、とにかく褒めてくれる人たちとやっているので、精神衛生上、とてもよいです。

「撮影から帰ってきて疲れてるのに、すぐセレクト作業してえらい」「資料作ってえらい」「その写真、すごくいい!」「撮影セットがいい感じ!」などなど。
仲間からの言葉が、とてもモチベーションを上げてくれます。

おはよう、ただいま、おかえりが言える

ひとこと挨拶できる人がいるというのは、とてもいいです。
撮影から帰ってきて入ってきた人がいたら「お帰り-」「ただいまー」「お疲れさま-」という感じです。
同じ空間にいるわけではないけれど、緩くつながっている、それをいちばん感じるときかもしれません。

バーチャルシェアオフィス

それぞれひとりの時間と空間があったほうがいい人たちなので、シェアオフィスで顔をつきあわせるのはつらいと思います。
でも、オンラインなので、終始つながっているわけではありません。
これがいい感じの距離感に作用しています。

なので、これはバーチャルシェアオフィスだなと思います。

ルールは特になくて、入りたいときだけ入り、入りたくないときは入らない。
人が仕事をしていても、自分が休憩したかったら寝にいけばいいし、それぞれが勝手にやる。
各自がシェアオフィスを契約していて、リアルに来るとしても、同じようなものだと思いますが、これがバーチャルなことで、物理的に自分を切り離してひとりにもどることもできるのは、ひとりでいたい時間もある私と仲間にとって、とても快適な状態になっています。

今はほとんど毎日、このZoomを立てていて、お疲れさま、と言いながら、オンラインの向こうとこちらで仕事をするのが、日々の習慣のようになっています。

バーチャルシェアオフィスから生まれたこと

これまでも仕事先で一緒になることもありましたが、いろいろな話をしたり、情報交換ができるようになったことで、コラボレーションしたり、新しい企画を考えたりすることがとても増えました。
例えばこんなことがあります。

  • お互いに撮影のアシスタントになる
    私が企画した撮影イベントに、アシスタントをお願いしました。
    写真家同士なのでやってほしいことが言わなくても伝わって、とてもスムーズにイベントが進行できました。
    次は私がアシスタントに入る案件も決まっています。

  • 一緒に作品撮り
    予定を合わせてモデルさんをお願いして、一緒に作品撮りの撮影をしました。
    ものすごく楽しくて、撮影のあとも、お互いのレタッチした作品を見て、同じ場所で撮ってもこんなに違うんだ、とか、使っているレンズの違いを見たり、勉強にもなっています。

  • 面倒な作業がはかどる
    セレクトやレタッチ以外にも、「スタジオを片付ける」「壁を塗り替える」といった、考えているとちょっと腰が重くなる作業を、オンラインで見ていてもらうことでできました。
    「見ててあげるからやりなよ!」のひとことが背中を押してくれて、片付けたあとはWebカムで状況を見せると「すごいじゃん、きれい!」と褒めてもらえるので、モチベーションがあがりました。

個人的にすごくいいなと思ったのは、お互いの得意が分かったことです。
現場で会うだけでは、時間もないので、それほど深い話もできなかったのですが、こういうことが得意なんだ、こういうことが好きなんだ、ということがとてもよく分かりました。

花が好きな人、ライティングがとても上手な人、物撮りがめちゃくちゃうまい人、犬が好きな人、企画を考えるのが好きな人、アドバイスが上手な人、などなど。
撮影内容だけでなく、もっと細かいことが分かって、これから一緒に仕事を生み出せそうです。

こんなオフィスの会社を作りたい

個人事業主で長くやってきましたが、こんなバーチャルオフィスの会社を作るのもいいな、と思い始めました。
ひとりより、複数のほうがもっといろいろな仕事ができる。
自分が考えて仕事を作り出して、仲間に仕事を渡したい。

ひとりでやれればいいと思ってきたのに、そんな気持ちの変化も出てきて、我ながらびっくりしています。

バーチャルシェアオフィスZoomを作るときのTips

ここからは、Zoomを使ったバーチャルシェアオフィスを、どんなふうに使っているか、技術的なTipsです。

ビジネスアカウントが必要

一日中立てておくので、Zoomは有料のビジネスアカウントを使っています。
今のところ、私が仕事で頻繁にZoomを使うため、もともと契約していたので、そのアカウントを使って私が立てています。

LINEでグループを作って、そこにシェア

ZoomのURLは、LINEでメンバーのグループを作っていて、そこにシェアしています。

ホストがいなくても入れる設定にすることも

私がスタジオにいるときはふつうにZoomを開いて、そのURLを共有していますが、外で撮影などのときは、Zoomをスケジュールしておいて、ホストがいなくても入れる設定にしています。

Zoomを起動して「スケジュール」からZoomを作り、「ホストより先に参加することを参加者に許可」を設定しておくと、ホストが不在でも参加者がZoomに入ることができます。

また、すぐに入れるように待機室はオフにしています。

情報共有はLINEを併用

オンラインサービスの情報など、URLや、スクショを送り合うときは、LINEを使っています。
Zoomのチャットだと、毎回終了するたびに消えてしまって(保存はできますが、毎回のZoomごとになる)遡れなくなるので、LINEのほうが便利です。

音の聞こえかたは要チェック

Zoomは映像の見えかたより、音の聞こえかたのほうが重要です。
自分の音声が相手にどう聞こえているか、自分で正確に知るのは難しいのですが、「自分は相手の声がちゃんと聞こえていても、相手は自分の声がちゃんと聞こえていないかもしれない」という可能性があることは、覚えておいていいと思います。
「ちゃんと聞こえてる?」と確認するといいと思います。

Webカメラの内蔵マイクを使ったり、PCの内蔵カメラとマイクを使っている人も多いと思いますが、これらのマイクの中には、話し始めの音を感知してからマイクが音を拾い始めるようなものもあり、話し始めの音が途切れがちになることもあります。
可能であればBluetoothのヘッドセットなどを使うと、お互い話をするのにストレスがなくなります。

私のおすすめを貼っておきます。
安くはないですが、長く使えるものなので、快適なバーチャルシェアオフィスライフ、またZoomでの打ち合わせなどにおすすめです。

いま使っているもの

以前使っていたのと同タイプのもの

どちらも耳を完全にふさがないので、外の音も聞こえます。
電話がかかってきたり、宅急便が来たり、家で家族がいる人はそちらの声も聞こえるのでおすすめです。

ひとりもいいけれど、やっぱり仲間がほしい

仕事はひとりでもできるけれど、仲間がいるといいな。
漠然とそう感じてきたのだと思いますが、ようやくそんな環境になってきて、またこれからいろいろなことができる、そんな気持ちになっているので、これを書きました。
なかなかまとめる時間がなかったけれど、これを読んで、Zoomでやってみようかな、と思う方がいて、新しい展開につながったら嬉しいなと思います。



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