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前撮りにて《翠曜日》vol.17

先日、前撮りをした。

着付けていただいてスタジオ撮影をした後、晴れていたのでデパートの屋上庭園でちょっと撮ってもらった。

カメラは母のFUJIFILM。私が写真にハマった根源の根源は、母である。

看護師の傍ら、夜間に写真学校に通っていたという母を、私は尊敬している。
今でこそ写真にハマっている私だが、お母さんから特に写真の知識を植え付けられたことはないし、なんなら小さい頃は母のカメラが大嫌いだった。カメラマン特有の「こっち向いて」の出しゃばり感も恥ずかしかったし、凝った年賀状のための作品撮りに何時間も付き合わされた記憶もある。
今見ると、いい写真を残してくれてありがとうと思える。そんな余裕ができたし、カメラの魅力にも気づいた。


二十歳になっても母の「こっち向いて」が聞ける、って恵まれてるのかも?
別にそこまで深く考えてはいないけれど。
そういえば私20年も生きてる


豪勢な着物で外を歩いていると、おばあちゃんやおばちゃんがたくさん声をかけてくれた。「綺麗ねえ」「素敵ねえ」って。ちっちゃい子にガン見もされた。最初は振袖を着たまま出歩くのが気恥ずかしい気がして、歩きにくいだの目立つだの、もそもそと悪態ついていたけれど、結局、結構満更でもない顔をして歩いた。20年分の失敗や恥と、それを乗り越えた経験のおかげで、少しずつ図太さが育まれてきた。
もちろん、背筋を伸ばして堂々としていられたのは、身に纏っているものの素敵さで武装しているから。 
ファッションとか、メイクとか、高校生の時は人並み以下に興味がなかった。でも、自分なりにかっこいいものやかわいいものは好きだった。それがあんまり服や化粧品じゃなかっただけだ。今は昔より関心がある気がするけれど、関心を持たざるをえない私服環境に放られてしまったからだと思う。自分なりの「好き」はこれからも大事にしたい。

道行く知らない人にも、声をかけるか迷うくらいに素敵!と感じるファッションの方がいる。なかなか「素敵ねえ」と声をかける図太さは、まだ持ち合わせていない。いつも、次こそ声をかけてみようと思うのだが、やっぱり遠巻きに目をキラキラさせて終わる。

なんであれ、素敵だと思ったら直接伝えるべき、と思っている。
私が好きなダンサーの1人、YOH  UENOさんもこれを言っていた。友達目当てで見に行った公演で、YOHさんと彼の相棒Hagriさんの作品があまりにもカッコよくて、すぐにファンになった。
それからずいぶん経って、YOHさんがインスタライブをやっていたので、その公演の感想を今更ながら伝えてみたところ、とても喜んでいただいた。
「ただ感動しているだけじゃ、作り手には伝わらないから、ぜひ素敵だと思ったものには本人に言葉を届けて欲しい」と。
ダンスでも、noteでも、インスタでも…発信する側をやってみて、この言葉はより響く。だからこそ、自分も声にだしてみようと思うのだ。

アートでも、ファッションでも、音楽でも、もっと小さい何かでも、なんでも。

道端のすれ違う一瞬でそれを伝えられるようになったら、一流である。
和装だと、何か特別な行事でもあるのかな、と思って声をかけやすいのかもしれない。
まずは和装の人に狙いを定めるか…。



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