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人の赤ちゃんの容姿について話す時

私の娘は足が細い!?ショック・・!

ある日、一人のママさんから、「すぐちゃん足が細いね~!」と言われました。なんの悪気もありません。笑顔で言っていたのですが、その時の私の気持ちは「うわ、痛いところ突かれた・・!」でした。

その頃、娘は毎日ミルクを700ml~800mlしか飲んでおらず、3か月児の1日の目安である1000mlは未だ一度も飲んだ事はありませんでした。
毎日、「たのむ。せめて800ml以上は飲んでくれー-」と思っていて、授乳中は「お!いいね!このまま飲んじゃおう。今日は頑張れるかな?」と励ましながら飲んでもらっている状態。
生まれた時は3770gのビックベイビーでも、体重がいつの間にか普通の範囲まで落ち、このまま飲まないと痩せてしまうなぁ・・・そういえば足が少し細くなったなぁ・・と思っている時の一言だったのです。

一番気にしているところを言われて、胸に小さなナイフがサクッと刺さったような気持ちでした。

声をかけたママの真意

細いねと言ったママさんは、とても仲の良いママさんで、悪気は1ミリもありませんでした。
そのママさんの娘さんは足が太くて、その事に悩んでいて、羨ましいという気持ちからの言葉だったからです。
翻訳すると、「すぐちゃんの体形って、いいね」と言っていたのです。

この気持ちのすれ違いって、怖いなと思ってしまいました。
褒め言葉で傷つく事がママ界のコミュニケーションであるんです・・
自分の身体ではなく、自分以外のかけがえのない大事な存在だからこそ、こんなに過敏になってしまうんですね。
正直、私の容姿なんて髪がボサボサと言われようが、肌が荒れてると言われようが何とも思いません。「ほんとそう!」って笑って終わりです。

人によって違う「標準」という概念の怖さ

育児から少し飛びますが、以前カナダのスターバックスで働いていた時、私はアルバイトの仕事を管理するポジションにいました。ある日、中国人の従業員(スパーク君)の清掃があまりにも汚く、「スパーク!全然きれいになってないよー!テーブルもちゃんとクロスの水切らずに拭いてるからベタベタで、拭く前より汚くなってるよ!」と注意した事があります。
その後、店長に呼ばれ、スパークは頑張っているから多めにみてやってくれ。と言われました。更に、「さとは日本人だから本当にきれい好きだよね」「他の従業員よりお店がきれいになるからうれしいよ。」と言われました。
私は自分の価値観だけで、標準はココ。綺麗と汚いの境目はココ。と勝手に設定して、異文化の人種に押し付けていたのです。
綺麗、汚いの価値観を否定する事は、その人の育ってきた環境を否定する事、更にはスパークを育ててくれたお母さんを否定する事だと店長が教えてくれました。
最近ダイバーシティという言葉をよく聞きますが、個々が持つ基準というのはある程度すべて正解で、指摘するのは覚悟の要る行為なんだとおしえてくれたエピソードでした。

ポイントは信頼関係?コミュニケーションエラーを無くしたい!

結局は、どれだけ2人の間に信頼関係があるかがポイントになると思います。
幸い、仲の良いママさんは本当に優しい方なので、足が細いと言われても不快には思いませんでした。(あー痛いとこ突かれたー!とは思いました笑)いろんな話をして時間を費やしてきた分、この人が私を傷つけたいわけが無い。と素直に思えました。

これが、知り合って間もない人だったら・・・もしかしたら落ち込んだかもしれません。その人を嫌いにならなくても、私ってママ頑張っていないのかな・・くらいは思ったかもしれません。

人の赤ちゃんの容姿について話す時は、自分が良かれと思って話していても相手はそのままストレートに受け取らない可能性があります。その人にとっては、それが悩みな部分でもあります。

「大らかでいいね」→「最近ずぼらな部分に悩んでいるんだけどなぁ」
「元気でいいね」→「泣き声うるさいって事かなぁ・・」
「全然泣かないね」→「泣かないから不調がわからなくて困ってるのに」

こう変換してしまうママさんは決して根性が曲がってるわけでも、偏屈でもなく、ただ我が子の育児に一生懸命で、大好きな存在だからこそ気にしてしまうものです。
私も言葉には気をつけると共に、今育児を頑張っているたくさんのママさんと日々労い合いたいなと思っています。



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