無能の人 と日本の赤色
凄く作りたいと思える物ができて、より面白く、適した表現を求めて、その為に欠かせないものとして赤色が欲しいと思った。
ふと浮かんだ2016年の記憶。
7年前に行った、確かにあそこに赤色があったはずだ。
7年も経った事を忘れるぐらいに、鮮明に心に残っている村の景観。
さぁ今もあるのか。
と
「無能の人」 その中の石を売る話
初めてその話を聞いたのは仲間の漫画家さん(尾道在住)にこんな人がいて、こんな面白い話があるんだ!と聞いたつげ義春のこと。
今までの僕の概念を変えてくれた、更にひなびた温泉&宿好きという。
共感できる所が凄く多く、僕の中でもはやつげ義春=わびさびとなっている。
そんな話を知ってしまった中で出逢った、まさしく現代の石を売る人。
ずっとどこにあったか、どこで売っていたのか思い出せずにいた。
あるのは7年前の画像だけ。
赤色を求めての道中、
何も考えずにいつも通り僕の好きな道の駅的な販売所に寄ると、そこに変わらずあった。
令和の石を売る人。
7年前の僕も、令和の僕も好きな場所は変わっていない。
7年前は写真だけ撮らせてもらって終わりだった。
(もちろん尾道に帰って、つげ義春を教えてくれた漫画家さんに石を売る人を見つけましたと話すと爆笑していた)
今回は石を買ってみた。
単純に気になった、
前に見たときと比べて変わっている様子もなく今まで買った人はいるのか?
レジに剥き出しのただの石を持っていくと、レジ係の人はどんな反応をするのだろうか?
バーコードすらついていない石を。
スーパーのカゴみたいなやつの一番下にそれとなく選んだむき出しの石を忍ばせて、上に産直野菜たちをかぶせていく。
レジへ
いかにもな、おば様2人組が待ち構えている、一つづつピッとレジを通してくれる
胸は高鳴る
やはり最後は石になった
小さい声でおば様
「あ、石ね」
レジの機械の横にあるバーコードの羅列の中から迷うことなく、ピッと読み込んでくれた。
更に産直野菜たちを袋に入れてくれていたもう一人のおば様がカゴから出た剥き出しの石を持って、くるりと後ろを向き別の机で慣れた手つきで新聞紙で包んでくれた。
二人とも動揺など全くなく、これまでの野菜たちを取り扱うのと同じように。
僕が知らないだけで、ここの石はよく売れるのか?
普段通りのおば様2人組に僕の方が少し動揺した。
いやはや、僕は何を期待していたんだろう。
もらったレシートを見ると、品名の所には民芸品とあった。
あぁ民芸品なんだ。
さぁ、いただいて帰ったからには何に使おうか
これだ
と、そんな「石を売る」な話がありましたが、
(後日、もちろん漫画家さんに一連のことを話すと爆笑していた、そして愛おしそうに石を見ていた)
本来の目的は「赤を求めて」ということで、岡山の奥の方ジャパンレッド発症の地へ。
7年前と変わらずな村。
少しおもてなしの要素を強めていた。
目当ての赤も変わらずに。
この日本らしい赤がどうしても欲しかった。
これが何に、どうなるのか。
少しだけ楽しみにしてもらえると嬉しい。
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