【読書】異類婚姻譚(本谷有希子)『結婚ってなんだろう?』
「いや俺は自分の顔が妻の顔と似ていると思ったことはないな。」
と、のっけから同意できなかったが、共感できるところも多かった。
なんと的確で恐ろしい言葉なんだ(笑)
妻と結婚した理由は、ツラが良いからでもなく、働き者だからでもなく、
一緒にいて楽だから。
たぶん、妻も分かっているだろうし、妻の理由も何となく分かる。
それを言っちゃお終いだろ感がスゴすぎて、言うことはないだろう。
所詮、夫婦なんてそんなもんだ。
「少しでもバイトとかしてくれたら楽になるのに。」
「もうちょっと、ちゃんと掃除してよ。」
とか、心の中でいつも文句を垂れているけど、
同時に気づいてもいる。
子供どころか結婚すら興味がなかった俺が、
「この世界でこんなにも可愛い存在があるのだろうか?」
と感情を抱かせてくれただけで、十分なんじゃないか?と。
娘を抱かせてくれただけで十分なんじゃないかと。
もう、今後直面するであろう苦労とかに見合うものを
既にもらっているんじゃないかと。
既に人生の辻褄が合っているんじゃないかと。
喜多川泰さんの言葉、
現実的には、結局ここに行き着くなあ。
モヤモヤしたときには、この言葉を心の中で唱えている。
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