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【オススメ本】大崎麻子・秋山基『豊岡メソッドー人口減少を乗り越える本気の地域再生手法ー』日本経済新聞出版社、2023


中貝宗治氏が上梓した『なぜ豊岡は世界から注目されるのか』、平田オリザ氏が上梓した『但馬日記』。先行するこの2冊と本書を合わせて

『豊岡三部作』

ときっと後世呼ばれることになるだろう。

中貝宗治氏の『なぜ豊岡は世界から注目されるのか』が豊岡全般、平田オリザ氏の『但馬日記』が演劇やアートから見た豊岡論とするのであれば、本書はジェンダーギャップ解消から見た豊岡論という位置付け(ポジション)である。

ただ、先の2冊と決定的に違う点がある。
それは今回の主たる執筆者である大崎麻子氏は、豊岡市民ではなく外部人材であるという点である。そのこともあり、本書は全体的に主観的記述もあるが、インタビューに基づくかなり客観的な記述が多い。

もう一つ大きな特徴がある。
それは本書で主眼とするジェンダーギャップ解消を取り巻くキーパーソンが実名でどんどんと登場することである。とりわけ行政(市役所)でこの政策に関わった部課長や担当者、前市長などが実名で何度も登場する(そのほとんどが私もお世話になっている方々)。
選挙で選ばれた政治家たる首長ならまだしも、これはなかなか珍しい。それだけ豊岡市のジェンダーギャップ解消のためのアプローチや存在が他市町と比べても、頭ひとつ抜けたものとなっている証左であろう。

さて、内容の紹介はネタバレになるので、やめておくとして、1点だけ言及しておきたい。
それは「メソッド」というタイトルが付くことからも分かる通り、そのハウツーとは?という疑問に対するヒントである。

キーワードは、

①タグライン(構え)
②戦略対系図(目的と手段のロジックツリー)
③人事及び人材活用(外部含む)
④調査(エビデンス)
⑤対話

この5点だろう。

最後に目次だけ紹介しておく。

【目次】
序章 “構え”をつくる──Tagline
第1章 なぜ豊岡は“戦略的”なのか──Organizational Capability
第2章 働きやすく、働きがいのある職場をつくる──Strategy I
第3章 ジェンダーギャップ解消でまちづくりを──Strategy II
第4章 変わり始めた企業──Transformation
第5章 動きだす人々──Kick off
第6章 地域の魅力を生かす──Resources
終章 豊岡メソッド──本気のコレクティブ・インパクト

残り2作についても過去のnoteにも記したが、詳細はぜひ3部作をセットでお読みいただきたい。

(なぜ豊岡は世界から注目されるのか)
https://note.com/sugioka0617/n/nc062291fcb20?

(但馬日記)
https://note.com/sugioka0617/n/nf58abbf2254f?





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